34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 19:45:17.62 ID:sFJRaXSc0
でも、このときは私が、過敏になっていただけでした。
「他のやつらは、泰葉と違って、すぐどっか寄り道したがるんだよ」
泰葉みたいに、まっすぐ帰ろうと言ってくれる子は貴重だ。
……なんて、私を見て言う、プロデューサー。
じゃあ帰ろうか、と歩き出そうとするプロデューサーの袖を掴んだまま。
私は立ち尽くしました。
「どうした?」
寄り道したがるという、みんなの気持ちは、わかる気がします。
私がプロデューサーに気づいてもらったように。
事務所のみんなにも、きっとそれぞれエピソードがある。
この人と一緒にいたいなって。
そう思わせる人なんだ、プロデューサーは。
「……あの」
「うん?」
「私の初勝利記念、何かしてくれるのなら……ひとつだけ……」
お願いがあります。
「プロデューサー、その、私に興味を持ってほしいな……」
「……」
……たぶん。
プロデューサーは、私の言葉の意味を、推し量り損ねたと思います。
私がなぜ、今になってそんなことを言うのか、不思議に感じたんじゃないかな。
けれど、最後に残った一抹の不安を吹き飛ばすような約束を。
私をずっと見ていてくれる、という約束を、プロデューサーはしてくれました。
………………………… ◇ …………………………
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