17: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:10:23.17 ID:axl5mVCd0
恥ずかしがる千早を連れ、応接室のソファに腰をかける。
「よし……っと。 ほら、いつでも寝ていいからな」
「な、ならお言葉に甘えて寝させてもらいますけど……変な事はしないでくださいね?」
18: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:11:04.04 ID:axl5mVCd0
「…………」
一向に何も浮かんでこない。
「ん?」
19: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:11:38.24 ID:axl5mVCd0
――確か、俺が入院していた病院に来る途中、自分は小さいけど俺の中では大きい存在である自信があった
そんな事を考えたって言っていたっけか。
……その通りだな。
確かに、千早は小さな女の子だ。
20: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:12:19.41 ID:axl5mVCd0
居ない筈の俺の声が聞こえた気がして、行くべき道を指差してくれた――か。
これぞ運命って感じだな。はは……
いかんいかん。歌詞を考えなくては――
21: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:12:53.50 ID:axl5mVCd0
「すー……すー……」
俺の耳には千早の寝息だけが聞こえていた。
……ん?
22: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:13:25.53 ID:axl5mVCd0
「ん……ふぅ……」
「お、起きたか」
千早が眠そうな目を擦りながら起き上がる。
23: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:13:56.36 ID:axl5mVCd0
「……膝枕」
「え? 膝枕がどうしたって?」
膝枕が、卑怯な真似? ど、どうなっているんだ……?
24: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:14:33.08 ID:axl5mVCd0
「ちょ、ちょっと! いきなりどうしたんですか?」
「いやー、少し寂しそうに見えたからな。 甘えたかったのかなと」
「…………」
「ん? どうした?」
25: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:15:10.45 ID:axl5mVCd0
「こうして、甘えたかっただけなのかもしれない」
「え?」
「突然どうしたんだ、千早?」
「……私、両親にも余り甘える事ができなかったので」
26: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:15:54.59 ID:axl5mVCd0
千早の少し震えている声が耳に入る。
――ここで全て聞いた上で千早の過去と今を受け入れるべきか
それとも……触れずにそっとしておくべきだろうか?
27: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:16:37.26 ID:axl5mVCd0
千早は今まで話そうともしなかった自分の辛い過去の事を俺に打ち明けてくれた。
……辛く、暗く、重い過去の話を。
「……その中で、残されていたのが歌だったんです」
「歌……? それだから、ここまで歌に固執していたのか?」
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