4: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:02:52.65 ID:axl5mVCd0
 「良く帰ってきてくれた」 
  
 事務所の奥の方から社長が突然姿を現す。 
  
 「しゃ、社長! すいません、こんなに長期間穴を開けてしまって……」 
5: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:03:40.79 ID:axl5mVCd0
 「とりあえず、その話は一旦置いておきたまえ。 私は君達の為に大きなプレゼントを用意した」 
 「プレゼント……? 俺達に、ですか?」 
  
 「どちらかと言うと如月君がメインになる。 ほら、これを読むといい」 
  
6: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:04:14.74 ID:axl5mVCd0
 「これ……トップアイドルだけが出演できる言われている超大規模ライブイベントじゃないですか……!」 
 「え? プロデューサー、私にも読ませてください」 
  
 紙を千早に手渡し、社長への質問を続ける事にした。 
  
7: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:04:51.64 ID:axl5mVCd0
 「これが私にできる最大級の君達へのプレゼントだ。 君達二人の想いを人々に伝えたまえ」 
 「もう……決まっているんですか? 俺達は仕事に穴を開けていたと言うのに出れるんですか!?」 
  
 「ああ。 必死な姿と惹かれあう姿を見て、適役は君達しか居ないと思ったのだ」 
 「しゃ、社長……」 
8: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:05:26.41 ID:axl5mVCd0
 「出演に関しては私も全然構いませんが、使用楽曲等に関してはどうしましょう?」 
 「それに関してなのだが、君達が作ってはくれないか?」 
 「!?」 
  
 再び俺は千早と顔を見合わせた。 
9: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:05:59.66 ID:axl5mVCd0
 俺は1から曲を作った事が無い。 
 というよりも、作ろうなんて考えた事もなかった。 
 前代未聞のチャンスを前にして……俺は何をすればいいんだ? 
  
 「構いません。 プロデューサーとやり遂げてみせます」 
10: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:06:36.81 ID:axl5mVCd0
 「そうか。 それなら頑張りたまえよ、君達」 
  
 考え込んでいる最中、この一言だけを残し社長は俺達の前から去っていった。 
  
 「さて……曲を作る事になってしまった訳だが」 
11: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:07:08.65 ID:axl5mVCd0
 「よし……千早、良く聞いてくれ」 
 「どうしました? いきなりそんな改まって……」 
  
 「先にこれだけは言っておこう。 俺は作曲はできない」 
 「え?」 
12: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:07:39.37 ID:axl5mVCd0
 俺等が歩んできた軌跡には確かな意味と、沢山の想いが詰まっている。 
 これを使わずして何を使うのか……! 
  
 「社長にはお礼を言わないとだな。 俺に閃きをくれた」 
 「ちょっと待ってください。 私達の歩んできた軌跡を書くって……正気ですか?」 
13: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:08:05.48 ID:axl5mVCd0
 夢へと一気に迫る事ができたこの数ヵ月間。 
 思い返せば、本当に色々な事が起きたな…… 
  
 決心を固めて、俺は物語を書く事にした。 
  
14: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:08:44.27 ID:axl5mVCd0
 時に笑いも有り、涙もある。 
 だが、その裏にはいつも何かしらの想いがあった―― 
 俺等はそのすれ違いによって生まれた歪みに悩まされてきたのではないだろうか。 
  
 様々な壁を乗り越えてきた今だからこそそう思える。 
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