7: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:04:51.64 ID:axl5mVCd0
「これが私にできる最大級の君達へのプレゼントだ。 君達二人の想いを人々に伝えたまえ」
「もう……決まっているんですか? 俺達は仕事に穴を開けていたと言うのに出れるんですか!?」
「ああ。 必死な姿と惹かれあう姿を見て、適役は君達しか居ないと思ったのだ」
「しゃ、社長……」
8: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:05:26.41 ID:axl5mVCd0
「出演に関しては私も全然構いませんが、使用楽曲等に関してはどうしましょう?」
「それに関してなのだが、君達が作ってはくれないか?」
「!?」
再び俺は千早と顔を見合わせた。
9: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:05:59.66 ID:axl5mVCd0
俺は1から曲を作った事が無い。
というよりも、作ろうなんて考えた事もなかった。
前代未聞のチャンスを前にして……俺は何をすればいいんだ?
「構いません。 プロデューサーとやり遂げてみせます」
10: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:06:36.81 ID:axl5mVCd0
「そうか。 それなら頑張りたまえよ、君達」
考え込んでいる最中、この一言だけを残し社長は俺達の前から去っていった。
「さて……曲を作る事になってしまった訳だが」
11: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:07:08.65 ID:axl5mVCd0
「よし……千早、良く聞いてくれ」
「どうしました? いきなりそんな改まって……」
「先にこれだけは言っておこう。 俺は作曲はできない」
「え?」
12: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:07:39.37 ID:axl5mVCd0
俺等が歩んできた軌跡には確かな意味と、沢山の想いが詰まっている。
これを使わずして何を使うのか……!
「社長にはお礼を言わないとだな。 俺に閃きをくれた」
「ちょっと待ってください。 私達の歩んできた軌跡を書くって……正気ですか?」
13: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:08:05.48 ID:axl5mVCd0
夢へと一気に迫る事ができたこの数ヵ月間。
思い返せば、本当に色々な事が起きたな……
決心を固めて、俺は物語を書く事にした。
14: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:08:44.27 ID:axl5mVCd0
時に笑いも有り、涙もある。
だが、その裏にはいつも何かしらの想いがあった――
俺等はそのすれ違いによって生まれた歪みに悩まされてきたのではないだろうか。
様々な壁を乗り越えてきた今だからこそそう思える。
15: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:09:14.54 ID:axl5mVCd0
時には、千早がわざわざ俺の家に泊まり込みで執筆を手伝ってくれた事もあった。
そして――
「ようやく……できた……!」
16: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:09:50.62 ID:axl5mVCd0
「でも、私もさすがに疲れましたね……ここまで長くなるとは」
「寝るか? 今なら誰も居ないぞ?」
ちょっとだけしてみたかった事。
17: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:10:23.17 ID:axl5mVCd0
恥ずかしがる千早を連れ、応接室のソファに腰をかける。
「よし……っと。 ほら、いつでも寝ていいからな」
「な、ならお言葉に甘えて寝させてもらいますけど……変な事はしないでくださいね?」
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