11: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/06/11(火) 13:35:55.66 ID:hhjSfFKI0
【柚にお菓子をあげないとどうなるか】
時は来たれり。
今日はハロウィンである。トリック・オア・トリート。
どちらかというとトリック・オア・トリックされたいのだが。
道端でそんな事を呟いていたら近くの交番の方に連行されてしまった。
事務所へ帰ってきた俺を見るアイドルたちの目線は蔑みの目線であった。
しかし俺はそんなものなりふり構わない。性的な興奮を感じる。
みなは俺にお菓子をねだるのでうまい棒を配っていた。
「ねえ、ねえ。アタシにもお菓子ちょーだい」
『ああ、柚じゃないか。今日はハロウィンだからな。ハロウィンヴァンパイアか』
『ううん、でも、俺もうお菓子配りきっちゃって、ないんだよな』
「え、持ってないの? うー、お菓子くれなきゃイタズラするぞっ!」
『イタズラしていただけるんですか?』
「何で敬語なんですか?」
逆に敬語で尋ねられてしまった。やってしまった。
だがしかし本当にお菓子を持っていないのだ。許してほしい。
俺の股間のうまい棒ならあるのだが、先日おやつカルパスと揶揄されていた。
『もう、これからライブなのに!こうなったら、イタズラするしかないーっ!』
そう言って俺の胸に飛び込んでくる喜多見柚。
ヴァンパイアの衣装を着てやるそれは、さながら本物だった。
彼女のせいいっぱいで抱きしめられた俺は、戸惑うしかなかったのだが。
『…ふう、これで、Pサン成分は補給完了!ヴァンパイアだから』
「ごめんな、柚。ああ、そうだ。ライブが終わったら、ご褒美だ」
『ホント?わかった、アタシ、頑張ってくるから!』
俺の言葉に押されたのかは定かではないが、圧倒的なライブを披露した。
彼女は見事に観客の視線すら、自らの輝きにしてしまった。
ライブが終わるとすぐ、俺の元へとやってきた。
『Pサン、ご褒美はやく♪お菓子、用意してるんでしょ?』
「してないよ」
「…これから、ご褒美タイムだ。お菓子でもなんでも、食べに行こう」
『やった!行く行く。じゃ、すぐに準備するから、待ってて』
支度を終えた彼女は、すっかりいつもの喜多見柚に戻っていた。
ヴァンパイアは陽の下を歩けないんだ、なんて笑って。
少しスキンシップが激しかったが、目を瞑る。
…これから、お菓子よりも甘いひとときがはじまるのだから。
おわり
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