135: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/07/04(木) 03:05:18.81 ID:zpMoHYvIo
『茄子さん、一応聞くが……。良いんだね?』
俺はそう尋ねる。その問いに、茄子さんは嬉しそうに、だがどこか寂しそうに笑う。
「はいっ、ずっと決めていたことですから……。それに」
『それに?』
「せっかく、社長さんとの賭けに勝てたんですもの、ふふ」
茄子さんはそういって笑った。賭けとは、社長が言っていた、二つ目の賭け、というやつだろう。その内容は、名目上知らされることはなかったが、半分周知の物でもあった。
『トップアイドルになれるかどうか、ってやつか?』
「そうですっ! Pさんったら、私をトップアイドルにするのに、三年も掛けたんですからっ」
『それに関しては、俺の力不足だな。二年でも長いと思っていたが、少し甘く見過ぎていたよ』
むすぅ、と頬を膨らませる茄子さんの頬を、俺は指でぷにっと押した。彼女は嬉しそうに笑い、そして俺の手を取って満足げに言う。
「でも、許してあげますよー。約束通り、私をトップアイドルにしてくれたんですからね♪」
『はは、ありがとう、茄子さん』
そうして俺と茄子さんは、車へと乗りこんだ。行き先は、思い出の場所だ。車を走らせて十数分、『そこ』が見えてくる。
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