3: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2013/06/12(水) 03:20:00.82 ID:XCXUAY/Ho
目を覚ます。酷く寝覚めが悪い。当然のことだ。胸糞の悪い夢だった。
どうやら、少し眠っていたようだ。このところ、移籍交渉やその手続きのせいで、激務が続いていたせいかもしれない。
周りを見渡す。誰もいない、がらんとした薄暗い事務所。机はぽつん、と一つだけ、自分の物が置いてある。
自分のほかに誰もおらず、階下から少し物音が聞こえるぐらいだ。
ふと、時計を見た。すでに、予定の時間が過ぎている。
俺はデスクトップを立ち上げると、インターネットバンクのページへと飛んだ。そして残高照会を行う。かなりの数字が増えていた。
(……終わったか)
俺は独語する。今日も、また一人アイドルが移籍した。これで累計六人目のアイドルだ。正確にはデビューをしていないから、アイドル候補なのだろうが……。
(……あいつの移籍先が決まるまで、二か月か。三か月かかると思ったが、まあじっくり育成もできたし、いい所まで行くだろう)
俺は独語した。取り立てて特徴はないが、彼女の屈託のない笑顔と明るい性格は大きな武器になるはずだ。
相手はそれほど大きな事務所ではないが、腕のいいプロデューサーが付けばプロダクションの顔にはなれる。
新人プロデューサーだったとしても、雑誌のグラビアを飾るぐらいの実力を持ったアイドルにはなれるだろう。それだけのトレーニングと教育を施したつもりではあった。
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