4: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2013/06/12(水) 03:22:03.66 ID:XCXUAY/Ho
『あぁ、糞。いや、今更言っても意味ないか……』
ただ、気分は最悪だ。それでもいい、と割り切りをしたところで、気分が落ち込むのは止められることではない。
そして、皮肉なことだがそれに慣れてきている自分がいる。移籍のペースはだんだん上がってきているし、俺の育成の腕も磨きがかかっている。
このままいけば、一流のアイドルトレーナーになれるだろう。もちろんそのつもりはないし、今のこの形態を崩すことはない。
デスクの前でぐっと背伸びをすると、背中がばきり、ばきりと嫌な音を立てた。これも慣れたことだった。
もうそろそろ歳か、だなんて置いたことを考えてみる。まだ三十代までは三年ほどあるが、最近はより一層老けた気分だ。
今の俺を昔の俺が見れば、きっとおっさん呼ばわりするのかもしれない。
『……いつもの場所に、行くか』
ゆっくりと俺は立ち上がる。錆びで変色した鍵を片手に、コンクリートジャングルに埋もれた、寂れた雑居ビルの、一室しかない小さなオフィスから外へと出た。
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