過去ログ - モバP「七人目の正直」
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6: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2013/06/12(水) 03:23:30.98 ID:XCXUAY/Ho
 黒いセミロングヘアの女性。澄んだ琥珀色の瞳に、色白の肌。落ち着いた雰囲気の洋服に、控えめながらよく似合うネックレス。

 俺は何の理由もなく思う。この子は、売れると。この子であればきっと、トップアイドルになってくれると。

 気が付けば、俺は声を掛けていた。何の躊躇もなく、何の脈絡もなく。

『なぁ、突然で悪いが、君……。アイドルに興味はないか?』

「……はいー?」

 のんびりとした様子のその女性は、驚いたような表情でこちらを見る。改めてその整った顔を見て、さっきの予感が正しいことを、証明してくれている。

『俺はこういう者だ……。ああ、いや、怪しい者ではない。と言っても、証明する手立てはないんだが……ううむ』

 少ししどろもどろになりながら、とりあえず名刺を差し出す。自分の名前とプロダクション名、そしてプロダクションの電話番号だけが書かれた、小さな紙

 社会的知名度がある社名なら、効果的ではあるのだろう。ただ、この名刺にそんなものは見込めなかった。世間的には零細プロダクションという評価の、無名な会社である。

 なんとか自分の話術で、信頼を勝ち取らなければならなかった。ここまで気負うのは久しぶりな気がする。そもそも、スカウト自体が久しぶりだった。



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