14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:56:11.67 ID:vLNSj/6Bo
真奥「くっそ、起きろよお前……つーか金払えよ! 割り勘だからな!」
恵美「んー……」
真奥は恵美の腕を自分の肩に回し、無理やり立たせていた。
意識があるのかないのか、恵美は目を閉じたままうわ言のようなうめき声だけを出している。
真奥(あー、どうしよこれ……)
恵美を家まで送ろうにも彼女の家の場所は永福町ということしか知らなかった。
魔王城に連れて行くのも無しだ。芦屋と漆原に何を言われるか知れない。
それ以前に、肩を貸したままそれほど歩けもしない。
真奥(最悪、どっかファミレスとかで朝を待つハメになるのか……ゆっくり寝たいんだけどなあ)
考えながら辺りを見渡す。
あとになって思えば、歌舞伎町という場所がいけなかったのかもしれない。
そもそも真奥がここまで来た目的がいけなかったのかもしれない。
久しぶりだというのに飲み過ぎた酒がいけなかったのかもしれない。
忘れていた疼きが真奥を襲う。
密着している恵美の体温がやけに熱く感じられる。
彼の目に映っていたのは、ホテルだった。
理性が彼の口を開かせる。
真奥「……恵美、どうする。自分でタクシー乗って帰れるか」
恵美「んぅ……」
相も変わらず、要領を得ない返事しか帰ってこない。
真奥「……朝まで、休むだけだ」
聞く者もいない言い訳めいた言葉が出る。
二人の姿がホテルに吸い込まれていった。
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