24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 21:01:24.81 ID:vLNSj/6Bo
にわかには信じ難かった。
真奥はその怒りのあまり、涙まで流して自分を罵る恵美を見ている。
漆原「そりゃあ、怒りは残ってはいるだろうね。けどそれはもう、問答無用で相手を八つ裂きにするほどじゃない」
漆原「例えば、仇が遵法精神旺盛で、人間のために頑張って働く一社会人になってたら殺す気が萎える程度に」
漆原「今の遊佐の、敵対するけど戦うでもないって中途半端な位置はそれの表れじゃないかな、と」
真奥「……要するに、俺が真面目に働いてるからとりあえず見逃してて、その俺が保護してるからお前も見逃してるってことか?」
漆原「推測だけどね」
真奥は天を仰ぐ。
もしも漆原の言うとおりだとしたら、あの年端もいかない少女の想いは、一体どこに向かえばいいのだろう。
彼女に苦しみを与えている自分の思うことではないが、不毛さを感じずにはいられなかった。
真奥「……俺、やっぱり普通に暴力で世界征服してたほうが良かったのかな?」
漆原「それが真奥のやりたいことならいいけど。心にもないこと言わないほうがいいんじゃないの」
実際、そうするつもりも起きなかった。
今の世界、立場で新しく得たものを捨てる気はないし、彼女が敵であることに変わりはない。
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