7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:52:38.01 ID:vLNSj/6Bo
真奥「……鈴木さんだっけ? あの、何なのこれ」
真奥は立ったまま、憂鬱な顔で梨香に向かってそう言った。
恵美の顔は真っ赤に紅潮しており、目は虚ろだ。明らかに出来上がっていた。
どうにも嫌な予感しかしない。
梨香「ごめん、何か今日は悪い酔い方しちゃったみたいで……」
梨香の方は酔ってはいるものの正常な意識を保っており、話が通じそうだった。
真奥に申し訳なさそうな顔を見せる。
恵美「あなたねえ、あなた……本当、いい加減にしなさいよ……」
梨香「……ってな感じで、ずっと真奥さんの悪口言ってるんだけど」
真奥「ああ、そう……」
手で顔を覆う。
梨香にも同情したが、一番同情されて然るべきなのは自分だと思う真奥だった。
何の気なしに入った店で偶然恵美に出くわすとは思ってもいなかった。
これ以上絡まれないうちに店を変えるか。
だが下手をすると恵美が追って来かねない。
そう思案する真奥に、梨香が話しかけてきた。
梨香「ね、丁度いいから聞くんだけど。真奥さんの会社って恵美と争って潰れちゃったのよね?」
真奥「ん、ああ……まあ、そうだな」
以前、真奥と恵美の関係を勘ぐる梨香に、芦屋がそう説明したことは聞いている。
概ね間違ってはいなかった。
梨香「それで真奥さんは恵美のこと嫌ってるって聞いたんだけど。今でも実際そうなの?」
そう問う表情は真面目だった。
何を考えているのかこの女、と思いつつも真奥が返答する。
真奥「そう思ってもらっていいよ。こいつも俺のこと嫌ってるし」
梨香「それがさあ、私にはどうもそう思えないのよねえ」
真奥「はあ?」
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