過去ログ - フロイライン「不思議で優しい神父様」フィアンマ「……」
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401: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/28(金) 22:07:15.66 ID:5hYjd0EP0

フロイライン=クロイトゥーネは、指輪を握っていた。
ラテン十字の薄く透ける、銀の、シンプルなリングだった。
それを数度、優しく大切に両手で握り。
目を瞑って思い浮かべるのは、フィアンマの言葉だった。

『目の前に積み重なっている問題は山とある』
『はい』
『俺様とお前にとって、時間は無限に等しい』
『……はい』
『だから、その途方も無い時間を使ってでも、問題を全て片付けてくる。
 全てが終わり次第、…お前を迎えに来ると、約束しよう』
『わかりました』
『待てるか』
『待てます』

何日でも。
何週間でも。
何ヶ月でも。
何年でも。
何百年でも。
何千年でも。

彼が迎えに来てくれるまで、待ち続けている。
そう誓ったフロイラインに、彼はこの指輪をくれた。

『お前に苗字をやったことを、覚えているか』
『覚えています。確かに』
『……少し学べばわかるだろうが、…指輪も渡しておく』

この指輪に誓って必ず戻るから。

だからその日まで。
誰かと笑って、生きていて欲しい。
誰に虐げられる事もなく、自由に。

『はい、不思議で優しい神父様』

彼が相手ならば、いくらでも待てる。

それを"愛"と呼ぶことを、彼女はまだ識らない。


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