過去ログ - フロイライン「不思議で優しい神父様」フィアンマ「……」
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8: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/13(木) 22:37:05.55 ID:PusaXlv20

「寒い、です」

ここに"居た"無実の魔女たちを真似て、そう呟いた。
実際、彼女の居る場所は寒かった。
すきま風は石作りの間から吹き付けてきて、凍えてしまいそうになる。
彼女は人を真似て、自分の手で身体を摩る。
二メートル程の身長、細く長い腕。華奢な指が、彼女の身体をさすった。

「お腹が、すきました」

本当に空いているのかどうかは、彼女自身もわかってはいないだろう。
彼女は古来より、その地域で最も有力な生物に擬態してきた。
その群に混じり、生存してきた。
故に―――本質的に既存の生物とは一線を画す生態を有する。
本当は、食事だって必要無いのだ。なくたって、充分生きていける。
実際、神明裁判の一環で餓死するように仕向けられた時も、餓死はしなかった。

「……寒くて、おなかがすきます」

0と1で表現出来るであろう彼女の思考が、そう呟かせる。

ギィ

ふと、きしんだ音を立てて、扉の開く音がした。
コツン、コツン、という硬めの靴音がする。


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