過去ログ - これからぼくが自殺する部屋
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21: ◆ty8oEf4R2M[saga]
2013/06/15(土) 21:50:21.94 ID:fWp4BBAy0

そこに書かれていたのは日記のようだった。

これは咲坂悠一の自殺とこの事件を結びつける手掛かりになるかもしれない。
画面をスクロールしているうちに、ぼくは彼女の言葉を思い出した。
佐倉徹。北条千夏。七瀬翔の三名は遺書を調べて死んだ。

室内の温度が数度下がったような感覚に襲われた。

これを調べた人間は、どういう経緯かは分からないが、死ぬのではないか。
だが、警察はそれを追求している、と咲坂未来は言っていたのだ。
となれば、警察関係者が死ぬ可能性だってあるはずだ。

…なのに、誰ひとりとして死んでいるような話し方ではなかった。

分からない。情報があまりにも少なすぎる。
ようやく情報が点となり、彼女の話から線となった。
これを一つの絵とする為には、さらなる情報が必要だった。

ぼくはとりあえず、考えを整理するため、近くのメモに書きだした。

1.自殺の順番は咲坂悠一、結城久、佐倉徹、北条千夏、七瀬翔。
2.咲坂悠一のメモから判断するに綴真也と咲坂未来も自殺する。
3.結城久が咲坂悠一を殺したと述べていることについての理由。
4.「これからぼくが自殺する部屋」が、全ての鍵を握っている。
5.咲坂悠一の

そこで、ぼくは最後の情報を連ねる文字の上を黒く塗り潰した。
どうしてだろう。ぼくには分からない。無意識での行動だったのか。
気付いたときには、ぼくの書いたメモは文字が読めない程塗られていた。

「――――――――――咲坂悠一を、生き返らせることだよ」

あの言葉には、どのような意味があるのだろうか。
咲坂未来が言うには、彼は望んで自殺したようではないか。
なのに、なぜ、咲坂悠一は咲坂悠一を生き返らせようとするのか。

…何の為に、咲坂悠一は死を選んだのか。

それを知ったとき、この負の連鎖は終わるのだろうか。
あるいは、ぼくも彼女も、この螺旋の歯車になるのだろうか。
そう考えているうちに、ぼくはまどろみ、咲坂悠一の夢をみていた。

そこにいた咲坂悠一は、幸せそうな顔で死んでいた。




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