229: ◆ty8oEf4R2M[saga]
2013/06/28(金) 15:46:13.35 ID:eLHeAKr90
「いいわよ。約束はできないけれど、善処しましょう。私にも目的がある」
「分かりました。では、その前にあなたの掴んでいる事を教えて下さい」
「ええと。恐らくですが、あなたは北条千夏でない。そうでしょう」
彼は真相への一片に行き着くまでに、そう時間を要しなかったようだった。
特に驚きはしなかった。必要以上の情報を開示した為だろうか。
しかし、こちらは表情で答え合わせができたのだ。
「はい。ぼくは確かに北条千夏ではありません。先に言っておくと、誰かも」
「けれど、俺の計画には賛同してくれる。それは、どうしてですか」
「彼らを救うため。今、あなたの計画が最もリスクが低い」
「先に結論から話しましょう。あなたの予定通り、残りの四人は全員自殺します」
「きちんと五日間の間隔を開けて。計画は成功です。しかし、終わっていない」
「終わっていない?俺は六人を生き返らせることができなかったのですか」
「ぼくが見ている限りは、ですが。ええと、掴んでいる情報についてでしたか」
「ぼくは事件の輪郭については殆ど。後は、あなたの計画の理論について」
「そして、咲坂悠一の思惑を暴くことが、残された事柄でしょうか」
先に大まかに情報を開示し、それを埋めるだけの事柄を語っていく。
彼は時折コーヒーに口をつけながら軽く頷き、小さな手帳にメモを取っていた。
整合性が合わない箇所を発見する為なのか、新たな計画を練っているのかは定かではない。
「となると、俺はどこかで失敗した。もしくは、達成できない状況にあるのかな」
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