39: ◆ty8oEf4R2M[saga]
2013/06/17(月) 11:09:53.76 ID:8Jw0TV/c0
そうだ。
ぼくはこの部屋の事を知っている。
知っている。違う。誰かから聞いたことがあった。
誰だったか。思い出せない。ああ、思い出した。北条千夏の言葉だ。
以前に北条千夏はその部屋について語っていた記憶があった。
ぼくは安易な言葉で捜査を撹乱するわけにいかず、そのまま嚥下した。
その代わりに、ぼくは自らの考えを刑事に対して述べていた。
自殺だとは考えられない。真相を明かしてくれ、と。
彼らはただ、一刻も早い解決を目指します。そう目標を掲げただけだった。
帰り際に、ぼくに一枚の名刺を差し出した。何か思い出せば。
分かりました。告げると、含みのある顔で帰っていった。
きっと、ぼくも容疑のリストにあがっているのだ。
こうなってしまったら、警察もぼくの話を鵜呑みにはしないだろう。
もう警察を頼りにはできない。今この時も事件は風化しようとしている。
それだけは阻止せねばならない。ぼくはそれだけは認めない。
咲坂悠一の遺書をメモして、日記を締めくくる。
ぼくの死については、誰にも責任はありません。
この世に未練がない。それは、真実であり、嘘でもあります。
だから、結城久を救うため、これからぼくが自殺する部屋に行ってきます。
咲坂悠一
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