過去ログ - 【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その4よ」
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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g[saga]
2013/06/15(土) 19:12:49.71 ID:s7XgCFM50

……こういうのは、ちゃんと面と向かって話したほうがいいよな。

スマホを操作して『始業前に話したいことがある。登校したら奉仕部の部室まで来てくれ』と入力して送信。


――これでもう後戻りは出来ない。


纏わりついてくる鎖を無理矢理引きちぎった。

現状から逃げ出さないと大口を叩いていた己はどこかへ消え失せた。

冷酷無情な社会と孤独に闘い続けた自身と決別して一歩を踏み出す。

今までの居場所はなくなるかもしれない。

心地よかったあの空間は、もう触れることすら叶わないかもしれない。

だがそれが、それこそが変わるということ。

なにかを得るためには、なにかを捨てなければならない。

みんながみんな幸せになれる世界なんて存在しない。

世界平和を実現しても、それは名も知らぬ誰かの犠牲で成り立っている。

勝者が存在すれば必ず敗者が存在するように。

輝く者と日陰者、天才と凡人、善人と悪人、正直者と偽善者、この世はすべて表裏一体だ。

彼が勝利の余韻に浸れば、彼は敗北の苦渋を啜る。

彼女が幸福のあまり笑みをもらせば、彼女は不幸のあまり唇を噛み締める。

そんな光景を見るのが嫌だから、他人と関わることを拒み続けた。


――だがそれはもうやめた。


なにを自惚れていたのだろうか。

自分自身が最初から所有している物はなにもなかった。

今自分が所持しているのは、偶然手元に回ってきただけの余り物。

それを誰にも渡さないようにと、みっともなく躍起になっていただけだ。

だからこその現状維持。

誰にも触れられないように距離を一定に保って、奪われないようにしていたんだ。

馬鹿馬鹿しい、本当に馬鹿馬鹿しいことだ。

そんな世界からのお情けで手に入れたものにいつまでも固執してどうするというのか。



――大切なものは、かけがえのないものは、己の意志で、この伸ばした手で、掴み取るものだ。





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