過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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105: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/21(金) 21:30:49.92 ID:QYoWxinO0
 明け方、俺は物音で目を覚ました。

 途切れ途切れの意識を覚醒させて、耳を澄ます。その音はリビングの方から聞こえてきていた。

誰だろう、ジークか?リビングへの扉を見やると、かすかに明かりが漏れている。

腕時計に目をやると、時間はまだ、朝の5時前。

 俺は起き上がって、ドアまで歩くと、ノブを引いた。

 そこには、奇妙な光景があった。リビングの真ん中に、サラとエヴァが突っ立っている。

その様子を、ジークが不思議そうに見つめている。

 この光景には、見覚えがあった。これは、あのとき、ホテルでニケが起き出してきたときと、似ている。

 俺は、三人の方へ近づいて行く。

しかし、かなりそばに近づいても、ジークもサラもエヴァも俺に気付いている様子はない。まぁ、それにも慣れた。

 「お姉ちゃんが言ってる」

サラが口を開いた。

「お姉ちゃんってのは、誰だ?」

「白鳥の、お姉ちゃん」

エヴァが言う。

 二人とも、目を開けてはいるが焦点が定まっていない。それにしても、白鳥のお姉ちゃん?

そう言えばあのとき、ニケも何か言っていた。良く聞き取れなかったが、ハク、ちゃんと言う言葉は覚えている。

二人が言う、白鳥のお姉ちゃん、はニケの言っていたやつのことか?

「行かなきゃ」

サラが言った。

「アムロ・レイに会わなきゃ」

エヴァもそう言う。

「やつは、こんなところにはいない」

そう言ったジークを見やると、彼は手に何か紙切れを持っている。

「行かなきゃ」

「行かなきゃ」

二人はそう言うと、まるで何かに操られるように、フワフワとした足取りでレイナの寝室の方に戻って行った。

 俺は相変わらず、その姿を呆然としたまま見送っていた。

「あぁ、居たのか」

不意に、ジークの声がして、我に返った。

「な、なぁ、今の…」

俺がどう聞いて良いかわからず、戸惑っていると彼は、ふうとため息をついた。

だが、昨晩のように、イヤそうな感じではない。

むしろ、すこし困った様子にも見える。

「まぁ、座れ。可能な限り、説明してやる」

そう言ってジークは俺に席を勧めた。

 ジークに言われるがままに、空いていたソファーに腰を下ろして、彼の言葉を待つ。

彼は顎に手を当てて、何かを必死に考えるようにしている。しばらくして、彼は俺の顔を見やって

「あんた達は、どうしてここまで来たんだ?」

と聞いて来た。


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