過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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12: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/14(金) 23:20:09.09 ID:JGBQ+Wk30


「ハンナ、お前何を…」

子どもの一人が俺に向かって突進してくる。

俺は前蹴り一発でその子どもを床に昏倒させた。

 クソっ!ハンナ、お前、まさか…

「マーク!ごめん、私、我慢できなかった…!」

ハンナが叫びながら、なおもドアの前で何かをやっている。

 バタバタと外で足音が聞こえた。

「拘留室を抑えて!誰も寄せ付けないように!」

今の声!大尉殿だ…!

 俺は彼らの方を見やった。クソ、クソっ!あの快楽殺人者め!

 足元に転がった少年に少女が駆け寄って、彼をかばうようにして俺をにらんでいる。

女性も、彼女にすがりつくようにしている少女二人も怯えた瞳で、俺を見据えている。

ちきしょう!俺はそんな趣味はないんだ!

 自分でも、自分の行動が理解できてはいなかった。俺は背後の扉を閉めて施錠をした。

「どけ!」

ハンナと子ども達を脇に退かせて腰に下げていた鍵束で裏口の施錠を開ける。

 薄くドア開いて外を見る。見張りの兵士も、南側へ集中しているようだ。味方ながら、マヌケなもんだ。

「ついてこい!」

俺は先頭に立って走った。基地の側面を北側に回って、車輌庫へ向かう。壁際で、後ろを確認する。

ハンナと女性と、子ども4人、ちゃんとついてきている。

 もう一度前を見やって、車輌庫の方を確認する。昼間のトラックが無造作に置いてあるう。あれを拝借するか…

「ここで待っていろ」

俺は小声で指示すると、トラック目がけて走った。見張りはいない。行ける!

 トラックに乗り込んでエンジンをかける。さすがにこれには気が付くだろう。

時間はない…すぐにトラックをハンナ達の方へ走らせて

「乗れ!」

と怒鳴った。彼らは素直に、俊敏にトラックに飛び乗ってくる。

ちきしょう!どうしてこうなっちまったんだよ!

 俺は、そんなことを考えながらアクセルを踏み込んだ。デカイ音をさせて、基地の周辺に張り巡らされた金網を突き破る。

「逃げたぞ!追え!」

背後で、叫び声と銃声が聞こえた。

もう、後戻りは出来そうにないな…クソ!





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