過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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124: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/22(土) 23:24:19.65 ID:Iu+skykt0

 だが、そんな俺の言葉を聞いて、ジョニーは笑った。

「ははは!そうだろうな。そう言うもんらしいんだ、だいたいの場合。

 中には、ニュータイプだろうが、そうじゃなかろうが、強烈に他人を引き寄せるニュータイプもいるって話だが、

 あいにく、そういうタイプはそう多くない。普通は、アースノイドは、俺たちが怖いものだと感じるらしい…」

ジョニーは続けた。

「それが、理由だ、マーク。俺たちニュータイプとスペースノイドが、目の敵にされる、な」

 何かが、頭を撃ちぬいたようだった。

そんな…まさか、俺が、これまで、こいつらといて、ずっと感じてきていたあの感情が…

あの苛立ちが、あの孤独感が、ティターンズや地球連邦が彼らを嫌い、攻撃対象とする理由だっていうのか?

だとしたら、だとしたら俺は…ずっと線を引いて来ていたように思っていたが…あいつらと、同じだって言うのか?

「マーク。聞いてくれ」

そんな俺の様子をわかっているようだったジョニーは、それでもなお話を続ける。

「俺たちは、誰しもが思っている。心のどこかで、確実に、デカイ、小さいはあれど、みんながみんな感じている。

 この宇宙に、俺たちが誕生して、おそらくずっと受け継がれてきた意思なんだと、俺は思っている。

 俺たちは、叫びたいんだ。

 『俺たちは、戦争の道具じゃない』ってな」


「戦争の、道具?」

「あの機体、見えるだろう?」

ふと、ジョニーが空を指差した。そこには、飛行形態になった、真っ赤なモビルスーツが切り裂くように飛行している。

「あれのパイロットは、そこにいるサビーノ達とほとんど変わらない年頃の子が操縦している」

「なんだって?!」

あれ、あんな動きをしているモビルスーツを、こんな子どもが?

「ユウリ・アジッサって言ってな。1年戦争が終わった直後、

 強化人間の実験台にされそうなところを、アムロが保護したんだそうだ。

 それ以来、ずっとアムロの監視下で、操縦を学んでいた。今では、カラバのエースパイロットだ」

「カラバの、エース…」

「だが、な。俺はあいつを見ていると、悲しくなる」

ジョニーは、静かに言った。

「まだ、子どもだぞ?人の痛みや、自分の心に痛みにも無頓着な年頃だ。

 それなのに、人殺しのために利用され、そしておそらく、誰かに殺されて人生を終えるんだ。

 ただ、かすかにニュータイプの素質があったり、強化人間に適していた、と言うだけで、だ」

俺は息を飲んだ。ジョニーの言いたいことが、なんとなく、伝わってきたからだった。




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