過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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126: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/22(土) 23:26:30.03 ID:Iu+skykt0

「ティターンズ!?」

「ニケ!下がって伏せてろ!」

俺はニケを後部座席に押しやると、拳銃を引き抜いた。

「ジョニー!左の路地へ!」

「よし!」

俺が叫ぶとジョニーが車を急発進させて、すぐ左にあった路地を曲がる。

 銃声が聞こえた。ガンガン!と車体に当たる音がする。

「頭下げて!」

レオナが叫びながら、子ども達をかばうようにしている。

「研究所の部隊に、ティターンズもか!?どうしてこんなことになってるんだよ!どこからか情報が漏れたのか…

 つけられていたか…」

ジョニーがハンドルを握りながらぼやく。

「マーク!やつら、追ってくる!」

ハンナの声がした。振り返ると、ティターンズの連中と思しき車両が、追いかけてきている。

 「まったく、めんどくさい連中だ!」

ジョニーはため息交じりにそう言いながらまた狭い路地を曲がって、急に車を止めた。

「降りろ!俺が囮になる!お前らは、西の山岳地帯へ!あそこなら隠れる場所が多い!」

「ジョニー!」

ニケが叫んだ。

 俺も、ニケと同じ気持ちだった。だが、今回は、そうも言ってられない。俺はジョニーの胸ぐらをつかんで

「死ぬなよ」

とだけ告げた。

「俺を誰だと思ってんだ。真紅の稲妻、ジョニー・ライデンだぜ?

 そこいらの雑魚にくれてやるには、ちっとばかり、惜しい命だ」

ジョニーはそう言って、笑った。俺も、やっと彼に笑みを返すことができた。

 「降りるぞ!」

俺は車から飛び降りて、後部座席のニケを引きずり下ろした。ニケ、すまない。今は、感慨に浸ってる場合じゃないんだ。

俺たちは車から降りてすぐに、近くにあった、商店のドアを蹴破って中に身を隠した。

 ジョニーの車が急発進して、ティターンズの車両がそれを追尾して行く。

…よし、行ったな…

俺は、それを確認してから、ニケの手を引いて店の裏口から外へ出た。西か。

まずは車だが…このブロックではやめた方がいいな。徒歩で少し離れよう。そこで車を確保してからの方がいい。

幸いそこかしこに乗り捨てられている。戦闘が始まってすぐに、避難勧告が出たのだろう。

あわてて捨てた様子が手に取るようにわかった。

「行こう」

ハンナとレオナに目配せをしてニケの手を歩き出そうと引っ張ったら、ニケは俺の手を振りほどいた。

振り返ると、彼女は、キュッとした強い視線で俺を見据えて

「マークさん。私、大丈夫。私も、頑張る!」

と半べそな顔で言い切った。なんだか、そいつがおかしくて、声に出して笑ってしまった。



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