過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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128: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/22(土) 23:27:47.57 ID:Iu+skykt0

それから、俺は、自分の認識票を引きちぎって、ジョニーにもらった封筒と一緒に、ハンナのポケットに突っ込んだ。

「あとから、追いつく。ここは任せて、先に行け」

心にも思っていないことを言ってみたけど、ハンナは表情を変えずに

「うそつき」

とつぶやくように言った。だろうな。そんなセリフ、誰だってそう思うだろう。

「頼んだ」

「…うん」

ハンナは、涙に頬を濡らしながら、うなずいた。それから、

「レオナ。みんな、行こう」

と、彼らにかぶりを振った。

 「マーク…」

今度は、レオナが抱き着いて来た。おいおい頼むから、早く行ってくれよ…泣くに泣けない。

 そんなことを思っていたら、唐突に、レオナが俺に唇を押し付けてきた。

何事か、と思って目を見開いていたら、視界に苦笑いしたハンナの顔が入ってきた。

なんだ?おい、ちょっと待ってくれよ…

 呆然とする俺にかわるがわる子ども達が抱き着いてくる。

そう言えば、ジョニーが行くって言ったとき、ニケは大泣きだったな。今は、口をへの字にして頑張っている。

「ニケ。お前は、強いし、優しいよな…逃げ出してきた車で、ポテトくれたのは、うれしかったよ…

 これからも、みんなには優しくして、心配してやってくれな」

俺が言うと、ニケは黙ってうなずいた。

「サビーノ。気の利いた格闘術、教えてやれなくてすまなかったな。でも、ハンナは俺の大事な人だ。

 それに、レオナも、ニケもサラもエヴァもだ。みんなが危険なことしないように、良く見ててやってくれな。頼むぞ」

「うん」

サビーノは拳をぎゅっと握っていた。

「サラ、エヴァ。二人とも、仲良くな。他のみんなとも、助け合って、支えてやってくれ」

「うん」
「うん」

二人も返事をしてくれた。

「レオナ」

最期に、レオナを見た。彼女もまた、泣いていた。

「子ども達と、ハンナを、頼む」

「うん…」

レオナも、返事をしてくれた。




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