過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/06/22(土) 23:27:47.57 ID:Iu+skykt0
それから、俺は、自分の認識票を引きちぎって、ジョニーにもらった封筒と一緒に、ハンナのポケットに突っ込んだ。
「あとから、追いつく。ここは任せて、先に行け」
心にも思っていないことを言ってみたけど、ハンナは表情を変えずに
「うそつき」
とつぶやくように言った。だろうな。そんなセリフ、誰だってそう思うだろう。
「頼んだ」
「…うん」
ハンナは、涙に頬を濡らしながら、うなずいた。それから、
「レオナ。みんな、行こう」
と、彼らにかぶりを振った。
「マーク…」
今度は、レオナが抱き着いて来た。おいおい頼むから、早く行ってくれよ…泣くに泣けない。
そんなことを思っていたら、唐突に、レオナが俺に唇を押し付けてきた。
何事か、と思って目を見開いていたら、視界に苦笑いしたハンナの顔が入ってきた。
なんだ?おい、ちょっと待ってくれよ…
呆然とする俺にかわるがわる子ども達が抱き着いてくる。
そう言えば、ジョニーが行くって言ったとき、ニケは大泣きだったな。今は、口をへの字にして頑張っている。
「ニケ。お前は、強いし、優しいよな…逃げ出してきた車で、ポテトくれたのは、うれしかったよ…
これからも、みんなには優しくして、心配してやってくれな」
俺が言うと、ニケは黙ってうなずいた。
「サビーノ。気の利いた格闘術、教えてやれなくてすまなかったな。でも、ハンナは俺の大事な人だ。
それに、レオナも、ニケもサラもエヴァもだ。みんなが危険なことしないように、良く見ててやってくれな。頼むぞ」
「うん」
サビーノは拳をぎゅっと握っていた。
「サラ、エヴァ。二人とも、仲良くな。他のみんなとも、助け合って、支えてやってくれ」
「うん」
「うん」
二人も返事をしてくれた。
「レオナ」
最期に、レオナを見た。彼女もまた、泣いていた。
「子ども達と、ハンナを、頼む」
「うん…」
レオナも、返事をしてくれた。
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