過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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129: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/22(土) 23:28:35.65 ID:Iu+skykt0

 良かった…こいつらなら、きっと、安全なところへたどり着ける。大丈夫だ…大丈夫…。

なんの根拠もないのに、俺はなぜかそんな風に感じていた。

根拠はなかったが、ハンナもレオナも、子ども達も、力強い目をしていてくれていたから、きっとそう感じたんだろう。

俺なんかが、こんな風に見てもらえるなんてな…嬉しいことだ。

「行け。絶対に、無事に逃げ切れよ!」

俺は腹の底から怒鳴った。

「行こう!」

ハンナが声を上げてニケの手を引き、先頭になって裏口の方から外へと飛び出していった。

 バタバタと遠くなっていく足音がやがて聞こえなくなった。

 ふぅ。

 思わず、ため息が出た。まったく、とんだことになったよな。

あいつらと一緒に逃げて来ちまったばっかりに、こんなところで、命の危機だ。まだ、死んでやるつもりはないが…

まぁ、俺の意思ばかりでどうにかなるほど甘くない状況だってのも分かってる。

 ふと、幼い頃の、ハンナとのことが頭に浮かんだ。一緒に遊んだり、ケンカしたり、ハイスクールでのことや、

入隊したてのころ…故郷の街や、すこし離れたところにあった、湖で過ごした日のこととか…

―――あぁ、なんだ、これ。走馬灯ってやつなのかな?

 死ぬ気はない、とか言いながら、ちゃっかりその覚悟をしているらしいな。まぁ、いい。

なるだけここで奴らを引き付けて、壮絶に戦ってやる。俺の武器は、手にしていた拳銃これ一丁だが…。

 俺は撃たれた脚を引きずって、店のカウンターの中に身を隠した。どこからでも来い…無駄死をするつもりはないんだ…。




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