過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/06/27(木) 20:07:24.49 ID:asNSo3CW0
「さて、挨拶はこれくらいにして、さっさと出ようや。時間が惜しい」
隊長がそう言って、ニヤっと笑った。
飛行機が、フレートさんの操縦で離陸した。私はレオナと隣り合わせに座って、機体が安定するまでシートに身を任せている。
レオナは、やっぱり、どことなく緊張した面持ちだった。どうしたんだろう、レオナ?
「緊張してるの?」
気になったので、聞いてみた。レオナは一瞬びっくりした様子をみせてから、戸惑い気味にコクッとうなずいた。
「大丈夫だよ。隊長も、フレートさんも頼りになるんだ。きっとうまくいくから」
私がそう言ってあげると、彼女は小さく、首を横に振った。
「そうじゃ、ないんです」
それから、掠れそうな小さい声で、そう囁くように言う。
違うの?これからのことに緊張しているんじゃないんだ?じゃあなに?飛行機怖いとか、そう言うこと?
私が疑問に思っていると、レオナは口を開いた。
「私、あんまり、地球の人に好かれる人間じゃないんですよ…その、ニュータイプ、だから」
そう言ったレオナの唇は、かすかに震えていた。
あぁ、そっか。なんだか、納得してしまった。
この子は、小さい頃に地球に来て、連邦に監禁されたり、実験されたり、果ては、スペースノイドだから、って理由だけで、
ティターンズに追われ、研究所に追われて、捕まったり命の危険にさらされてきたんだ。
だからきっと、隊長達が怖いんだな…そんなこと、心配しすぎだって笑うのは簡単。
でも、とてもじゃないけど、そんなことをする気にはなれなかった。
だって、彼女から伝わってくる緊張感は本物だ。とても軽い気持ちで受け止めたり、流したり出来る様なものではない。
それだけの目に遭ってきたんだ、彼女たちは…。
なんだか、胸が締め付けられるような気持だった。寄る術もなく、物のように扱われてきた気持ちってどんななんだろう…
私が、父さんや母さんや、兄さんを亡くして、一人ぼっちだなって思ったときときっと似ているんだろうけど、
たぶん、それよりももっとつらくて悲しい時間だったはずだ。
それこそ、自分で自分の命を絶ちたくなってもおかしくはないくらいに…
そんなことを考えていたら、いつのまにか、目からポロポロと涙がこぼれ出していた。
あぁ、私のバカ!泣いちゃダメだって思ってたのに…あぁ、なんでこんなに涙腺ゆるいんだろう、私…
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