過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[sage]
2013/06/28(金) 19:58:31.02 ID:OJWBqZ2T0
アタシは手を離して、転がった男をけっぽってから背を向けた。ハンナが、すごい顔してアタシを見ていた。
「あの…アヤさんて、なんなの?」
「あぁ、えーっと、元連邦のパイロット?」
「そ、それは昨日聞いたけど…」
ハンナは、あわあわと口をパクパクさせてあっけにとられている。なんか、レナみたいなリアクションだな、あんた。
そんなことを思っていたら笑えてしまった。
「なんでも、噂じゃあ、ジャブローの暴君、とか、連邦の鬼神、なんて通り名があったらしいよ」
まぁ、うちの部隊のそばでは、の話だけど。アタシの話を信じちゃったのかどうなのか、ハンナは目をぱちくりさせて
「そ、そうなんだ…」
とつぶやいていた。
「へぇ、すごいな…」
そんな感嘆がどこからか聞こえた。見ると、そばにあった看板の陰から、ひとりの女が姿を現した。
女は、手に何かを持っている。紙切れ?いや、写真か?
「あなたが、アヤ・ミナト?」
女はアタシの名を呼んだ。あぁ、こいつが、シローの知り合いっていう?
「そうだけど」
アタシが返すと、女は少しほっとした様子で笑った。
「そっか。会えてよかった。あたしは、キキ。キキ・ロジータ」
「キキ?シローの子と、おんなじ名前だな」
「あぁ、そうさ。あたしの名前から取ってくれたんだ」
なにか嬉しかったのか、キキはニコッと笑った。まぁ、悪いヤツって感触はない。こいつで間違いなさそうだな。
「ほら、シローに写真を預かったんだ」
キキは手に持っていた写真を見せてきた。
それは、ペンションで撮った、アタシとレナと、アイナさんに子どものキキの4人が写った写真だった。
あぁ、これもう、ずいぶん前のだよな。確か、レナが妊娠してたくらいに撮ったんだ。やっぱり、間違いなさそうだ。
「悪かったね。こんなに物騒な街だとは思ってなかったんだ。あたしも、危うく狙われるところだった」
キキは悪びれた様子で言う。
「いや、これくらい、大したことはないよ。でも、落ち着いて話を出来る様な感じの場所ではないよな。どこかに移るか?」
アタシが聞くと、キキはかぶりを振って
「空港に飛行機を待たせてるんだ。話は、その中でしよう」
と言って笑った。うん、アタシ、この子は好きなタイプだな。付き合いやすそうな助っ人で助かるよ。
カレンみたいなやつだったら、どうしようかと思ってた。
あ、いや、別にカレンがイヤってわけじゃないんだけどさ。仲良くなるまでに時間かかると、めんどうだからな。
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