過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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204: ◆EhtsT9zeko[sage]
2013/06/28(金) 19:58:31.02 ID:OJWBqZ2T0

 アタシは手を離して、転がった男をけっぽってから背を向けた。ハンナが、すごい顔してアタシを見ていた。

「あの…アヤさんて、なんなの?」

「あぁ、えーっと、元連邦のパイロット?」

「そ、それは昨日聞いたけど…」

ハンナは、あわあわと口をパクパクさせてあっけにとられている。なんか、レナみたいなリアクションだな、あんた。

 そんなことを思っていたら笑えてしまった。

「なんでも、噂じゃあ、ジャブローの暴君、とか、連邦の鬼神、なんて通り名があったらしいよ」

まぁ、うちの部隊のそばでは、の話だけど。アタシの話を信じちゃったのかどうなのか、ハンナは目をぱちくりさせて

「そ、そうなんだ…」

とつぶやいていた。

 「へぇ、すごいな…」

そんな感嘆がどこからか聞こえた。見ると、そばにあった看板の陰から、ひとりの女が姿を現した。

女は、手に何かを持っている。紙切れ?いや、写真か?

「あなたが、アヤ・ミナト?」

女はアタシの名を呼んだ。あぁ、こいつが、シローの知り合いっていう?

「そうだけど」

アタシが返すと、女は少しほっとした様子で笑った。

「そっか。会えてよかった。あたしは、キキ。キキ・ロジータ」

「キキ?シローの子と、おんなじ名前だな」

「あぁ、そうさ。あたしの名前から取ってくれたんだ」

なにか嬉しかったのか、キキはニコッと笑った。まぁ、悪いヤツって感触はない。こいつで間違いなさそうだな。

「ほら、シローに写真を預かったんだ」

キキは手に持っていた写真を見せてきた。

それは、ペンションで撮った、アタシとレナと、アイナさんに子どものキキの4人が写った写真だった。

あぁ、これもう、ずいぶん前のだよな。確か、レナが妊娠してたくらいに撮ったんだ。やっぱり、間違いなさそうだ。

「悪かったね。こんなに物騒な街だとは思ってなかったんだ。あたしも、危うく狙われるところだった」

キキは悪びれた様子で言う。

「いや、これくらい、大したことはないよ。でも、落ち着いて話を出来る様な感じの場所ではないよな。どこかに移るか?」

アタシが聞くと、キキはかぶりを振って

「空港に飛行機を待たせてるんだ。話は、その中でしよう」

と言って笑った。うん、アタシ、この子は好きなタイプだな。付き合いやすそうな助っ人で助かるよ。

カレンみたいなやつだったら、どうしようかと思ってた。

あ、いや、別にカレンがイヤってわけじゃないんだけどさ。仲良くなるまでに時間かかると、めんどうだからな。


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