過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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アウドムラ
◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/06/30(日) 02:26:02.88 ID:CYaP2sVk0
飛行艇が高度を下げるのを感じた。窓の外に、煌々と灯る空港の明かりが見える。
グングンと高度が下がり、やがて飛行艇は鈍いショックとともに、滑走路へと降り立った。
「ん、着いたの?」
そう言いながら、マライアは目を開けて大きく伸びをした。
「あぁ。降りる準備でもしておこう。すぐにでも、ベルントと合流してもうひとフライトだ」
アタシが笑って言ってやると、マライアも笑顔を返してきた。
手分けして他の連中も起こして、機体を乗り換える準備をする。って言っても、大した荷物があるわけでもない。
マライアにはハンナの、ルーカスとポールには、ちょっとサイズが合わないけどダリルの服を貸して着替えさせた。
あんまり、ティターンズの姿でうろつくと目立っちゃうからな。
アタシとハンナも、いつまでも物騒な格好をしているわけにはいかない。
とりあえず着替えて、装備品は基地から持ち出した銃と一緒に、ダリルが持ち込んだというデカイ金属のケースにしまった。
飛行艇がエプロンに着く。予定では、このまま空港の建物の中には入らずにベルントと合流することになっているんだけど…
アタシはPDAを取り出してベルントにコールする。ほどなくして、ベルントが電話口に出た。
「あぁ、ベルント。今着いた。そっちはどうだ?」
「確認した。こっちは、4番の駐機場にいる。すぐ隣だ」
相変わらず、愛想のねえやつだな、なんてことは言わないで置いた。せっかく協力してくれてるんだもんな。
「ダリル、4番の駐機場ってどっちだ?」
「恐らく、左側だろう。たぶん、あの機体だ」
ダリルがコクピットから外を指差す。その先を見ると、カレンの会社の小型機と同じクラスの機体が駐まっていた。
尾翼に、赤と緑の二本のラインが入っている。
「赤と緑のラインの機か?」
「あぁ、そうだ」
ベルントの味気ない声が返って来た。
「正解らしい。移動しよう」
アタシはそうみんなに言って、飛行艇を降りた。エプロンをそぞろ歩いてベルントの機体へと向かう。
あの飛行艇は、この空港でしばらく保管を頼むらしかった。ことが済んだら、ダリルが買い取る、と言っていた。
どうやら、気に入ったようだ。まぁ、あれなら、ちゃんと整備を続けていれば、家にだってなる。
旅をしながら行く先々で湖畔にでも浮かべて、のんびりするには良い機体だ。
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