過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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242: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/30(日) 02:27:45.01 ID:CYaP2sVk0

「説明を、頼む」

掠れそうになる声を何とか絞り出して、アタシはフレートに聞いた。

「基地内にレナさんとレオナちゃんが潜入して、俺たちは外で爆破を起こして混乱させる、って手はずだったんだ」

フレートは沈んだ声で話し始めた。

「起爆装置は、レナさんが持っていた。外にいる俺たちには、起爆のタイミングが分からない。

 だから、中から起爆できるようにする備えだった。俺たちは、倉庫に爆弾を運んで行って、逃走手段を確保して、待った。

 だけど、待てど暮らせど、爆発が起きなかった。

  起爆装置につけた発信機の電波も届かなかったから、おそらく、特殊な電波妨害壁が設置されていたんだろうと思う。

 そのせいで、起爆のための信号が届かなかったんだ。それに気づいて、隊長が残った。

 隊長は、手動で爆弾を起爆させて、その間に俺とキーラだけが脱出してきた…」

「そうか…」

アタシは、少しだけ、ホッとした。どうやら、目の前で殺された、なんてことではないらしい。

研究所の中に入って、連絡が取れなくなったから、作戦を中止した、と言うことだ。

その判断は…残念だけど、正しい。全員がつかまったり、殺されてしまうよりは…。

「他に、情報はないのか?レナ達の生存に関することとか…」

「すまないが、それも確認できていない。研究所周辺を飛び交っている電波を拾ってはみたんだが、

 厳重に秘匿処理を施された通信で、内容を解読できてない…」

フレートはそれっきり黙ってしまった。

「負担掛けて悪かったな、フレート…」

そうとしか、言ってやれなかった。フレートには申し訳なかったと思う。でも、アタシの心は、レナ達のことでいっぱいだった。

死んで、ないよな…そうだ、あいつだってニュータイプだ。

研究所の人間にしてみたら、殺すよりも、実験材料として生かしておいた方が得なはずだ…

生きているんなら、チャンスはある…そうだ、そうに決まってる…そうであってくれ…

 アタシはいつのまにか、祈るみたいに顔の前に拳を握って、うなだれてしまっていた。胸が張り裂けちゃいそうだ…

レナの顔ばっかりが頭に浮かんでくる。レナ、生きてるよな?今、何を考えてるんだ?何を感じてるんだ?…レナ…レナ…!






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