過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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273: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/07/02(火) 01:04:38.73 ID:noxIO77/0

 「だから、言ってやっただろう?アタシの答えは、ひとつだけだ。『おかえり』」

「うん…うん!ただいま、アヤさん…マライア・アトウッド曹長、ただ今、オメガ隊に復隊しました!」

マライアは何を思ったか立ち上がってそう宣言し、アタシに敬礼してきた。

曹長、か。あんたの基本は、そこなんだな。いくらティターンズで階級が上がったって、関係はなかったんだ。

それそこ、そんなもの、道具でしかなかったんだな。

 あんたはこれまでずっと、そう言う経験が、“マライア・アトウッド曹長”を成長させるための、

隊の皆を、支えて、守れる存在になるための肥やしにしてきたんだな。

 だとしたら、はは、確かにそうだな。マライアの変わってない甘ったれなところも、そりゃぁ当然だ。

なんたって、こいつは、あのときのまま、経験が豊富になった“曹長”なわけだからな。

 マライアの敬礼には、敬礼を返さなきゃいけない。アタシも立ち上がってマライアに敬礼を返しながら

「おかえり、マライア・アトウッド曹長。アタシや、友達のアイナを守ってくれて、ありがとうな。

 本当に帰ってきてくれてうれしいよ、マライア。おかえり、アタシの妹。

 8年も、偉かったな…良くりっぱになって帰ってきてくれた。これからは、ずっと一緒だ。

 アンタはもう、オメガ隊から二度と出て行っちゃダメだからな。

 それから…頼む。明日は、アタシとレナのために、力を貸してくれな…頼りに、してるから」

と言ってやった。

「ふぐっ…ううぅぅっ…」

アタシが言ってやると、マライアは途端に声を上げて泣き出した。

それからもちろん、アタシに突っ込んできて抱き着いて、胸に顔をうずめて、わんわんと悲鳴のように泣き出す。

 妹か…良く言ったもんだ。アタシもいつのまにか、すっかりあんたの姉さんになってたみたいだ。

あのころはお遊び程度の呼び名くらいにし思ってなかったけど、でも、隊の皆は家族だった。

マライア、あんたもやっぱり、妹だったんだよな。だから、姉として、あんたが返ってきてくれたのが、何よりうれしい。

良かった、本当に、良かったよ…

 「ははは。大尉、飛行機での中でもそうだったのにな」

「きっと、アヤさん達の役に立ちたくて、ずっと頑張ってきたんだね…

 私も、アヤさんや、マライア大尉みたいに、立派になれるかなぁ」

マークとハンナがそう言って笑っている。

 はは、そうだな。アタシがマライアの姉ちゃんなら、マライアはあんた達の姉ちゃんだ。

こんな甘ったれだけど、たぶん今じゃ、アタシやダリル、隊長よりすげえかもしんないからな。

こいつを見習っておけば、あんた達もやれるようになるさ。

 そんなことを思いながら、アタシはマライアの頭を撫でまわした。でもな、マライア。

まだだからな。この状況が終わるまで、ちょっと待ってくれな。そしたら、今まで我慢してたぶん、目一杯甘えさせてやる。

アタシも、もっと別の、言いたかった言葉を聞かせてやる。だからそれまで、アタシに力を貸してくれ。

 な、マライア。頼んだからな…。

 バーに流れていたピアノソナタの音に混じって、溶けた氷がバーボンのグラスの中でカランと鳴った。



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