過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/07/06(土) 19:49:49.40 ID:VXHUrXhO0
「マライアか!?装甲車で脱出した!援護しやがれ!」
隊長が怒鳴った。
<わ!隊長!久しぶり!待ってね…あ、いた!マーキング完了!
ユニコーン、あたしはあれについて援護しながら逃げるから、そっちも適当に引き上げて!>
<了解、無事を祈ってる!>
<うん!ありがと!もしなにか困ったら、連絡頂戴ね!>
その会話を聞いていたら、すぐにマライア機が真上に来た。アタシらの上空を旋回している。直掩についた。
それから爆発音と衝撃、銃声と、発射音が鳴り響く中を、装甲車は走った。研究所の敷地を抜け、市街地へと入る。
約束していた場所で、フレート達と合流して、車を乗り換え、サンフランシスコを目指す。追手はない。
後方で戦闘を行っていたあの3機のモビルスーツはいつの間にか姿を消していた。
幾筋もの黒煙だけが、もうもうと立ち昇っている。
<アヤさん、あたし、この機体、アナハイム社の工場に返してくるから、旧軍工廠で落ち合おうね>
マライアもそう言って、機体をひるがえし、どこかへ飛び去って行った。
それからしばらく走って、コンクリートで覆われた旧軍工廠へと続くトンネルの入り口に出た。
車輌用のシャッターを爆破して、その中へと進む。
真っ暗なトンネルを抜けた先には、地下工場があって、そこから、古いエレベータを作動させて地上に出たら、
そこには、ミノフスキーエンジンを積んだ大型の戦闘輸送機が、寂れた格納庫の中にひっそりとたたずんでいた。
「あぁ、やっと来たね」
声がしたので、あたりを見回したら、その機体の陰から、ブロンドの長身の女性が姿を現した。
「ユージェニーさん!」
アタシは声を上げた。隊長の妻で、もう何年も会ってなかった、アタシの性根を叩き直して、身も心も鍛えてくれた先生だ。
「あんなとこから、全員無事で、良くもまぁ生きて帰ってきたもんだ」
ユージェニーさんは、アタシらを見てそう言い、笑った。
アタシ達はそれから、その機体の中にあるコンテナ内に作られた簡易の座席に乗り込んだ。
どこからやってきたのか、マライアもルーカスと一緒に姿を現して、乗り込んでくる。
ユージェニーさんの操縦で、機体は地面を離れた。
アタシは、レナの体を抱いて、席に座っていた。
レナはこんなだし、ハンナは負傷。話に聞いたら、マークはそもそも脚に怪我をしていたらしい。
マライアは、明るかったけど、疲労困憊って感じだし、隊長もため息をついて、元気がない。まぁ、隊長はただの腹減りか。
そうは言っても、みんなボロボロだ。レナを助けるために、力を貸してくれて…
こんな飛行機や車に、突入のための機材や武器をそろえてくれて…
アタシ、こいつらになんて礼を言ったらいいんだろう、どうやって感謝したらいいんだろう。
なんとなくそんなことを考えていた。でも、いくら考えたって、頭に浮かんでくるのは、助けてくれたことの感謝より、
「アタシと出会ってくれてありがとう」って、そんな言葉だった。
ははは、なんか笑っちゃうよな。そんなこと、これまでだって、何度も何度も感じて来たってのに、さ。
アタシは、あんた達に出会えてよかった。あんた達の仲間に入れてもらえて、「家族」になれて本当に、本当に良かった…
ありがとうな、ありがとう…みんな…。
そんなアタシの想いを見透かしたのか、レナが見上げてきて、ベコベコの顔で、にこっと笑った。あんたは、また、別口だ。
特別の中でも、特別!そう言ってやろうと思ったけど、さすがにやめた。
こんなにたくさんの中でそれを口にできるほど、アタシの照れ屋は治ってない。
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