過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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32: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/15(土) 23:13:13.87 ID:Ax9gx0y90


 助手席で、ほんの少しの間意識を失っている間に、車はコウベのすぐそばにまで近づいていた。

ハンナに起こされて目を覚ました俺はつぶさにあたりの状況を確認する。

時折、軍用のトラックが走っているのが目に留まる。

俺は緊張感で胸の奥が締め付けられるような感覚を覚えていた。

 コウベについて、俺の緊張は解けるどころか、いっそう高まっていた。

街の至る所に軍の車両がとまっていて、なにやら物々しい雰囲気だ。港でも軍による検閲が行われている。

さすがに手を回してきたか。

「これはちょっとまずいよねぇ」

ハンナがハンドルに寄りかかりながら、港の様子を遠巻きに見つめてつぶやいている。

 ちょっとどころの騒ぎじゃない。あの警戒の中、バレずに船に乗り込むなんて、そう簡単じゃない。

なら、コウベは外して、さらに西へ向かうか?フクオカか…ヒロシマか…いや、無理だ。

どっちにしたって、大きな差はないだろう。

大尉がこの地域の全基地に警戒を呼び掛ければどのルートだって封鎖されるか、あるいは検閲がはいっちまう。

こればっかりは逃げても同じことだ。

だとするなら、ここを突破するか、あるいは…人の来ないような山奥に潜伏するか、だ。

 だが…潜伏したとして、いつまでだ?ティターンズの権力に陰りは出てきているのは確かだ。

しかし、だからと言ってその強権がなくなったわけではない。

潜伏して息を潜めても、この地域にいる限りは、いずれ発見されて連行されてしまう危険性が高い。

どうにかして脱出する必要がある…そのためには、情報が必要だ。


「とりあえず、どこかに宿を取ろう。情報を集めて、隙を突くほかにない」

俺はそう言って、ハンナに車をホテルへ向かわせた。




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