過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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326: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/07/07(日) 23:42:20.30 ID:nBQnR4x30

皆がホールから部屋に戻った。私も、ロビンとレベッカを抱いて部屋に戻っていた。

ロビンたちは隣の子ども用のダブルに寝かせて、私もゴロゴロとベッドに転がる。

しばらくそうしていたら、

「ふぅ」

とため息をつきながら、アヤが部屋に入ってきた。はしゃぎ疲れたのか、すこし、眠そうな顔だ。

「おかえり、みんなは?」

「カレンとマライアははしゃぎ足りないみたいで、まだホールで騒いでるよ。マークとハンナに、レオナは部屋に通した」

アヤはそう答えて、ベッドに腰を下ろした。

 私がすり寄って行くと、アヤはギュッと私を抱きしめて、そのままベッドに倒れ込む。私も、アヤの体にしがみつく。

アヤだ…。私の大事な、一番好きな、最愛の人。彼女の暖かいぬくもりが伝わってくる。

彼女の温度、彼女の匂い、彼女の声、彼女の瞳、彼女の心…

すべてが私を優しく、大事に、包み込んでくれているような気さえする。

なんだか、胸の奥が暖かくて、とても暖かくて、いっそう、彼女に体を密着させる。

 そしたら、アヤはクスッと微かに笑い声をあげた。

「なに?」

「ん、別に…」

私が聞いたら、知らないよ?と言わんばかりに、そっぽを向く。

「なによ?」

「いや…昔のこと、思い出してた」

さらに聞いたら、アヤは正直に白状した。昔のこと、か…

「あのときは、びっくりしたけど…でも、ほら、戦闘機の中で寝たときさ。

 アタシ、あんなに心から安心したのは、施設にいたときに、ユベール達と過ごしてたとき以来だったんだ」

アヤは私の髪に、顔をすりつけながらそう言ってくる。

「あの時のアヤのこと、私もまだしっかり覚えてるよ…戦闘機の中のことも…

 私が一番はっきり覚えてるのはね、独房に来てくれたとき。私の顔を見て、泣きそうな顔で怒ってくれたこととか、

 あれは本当に嬉しかった。それから、船の中で私を守るって言ってくれたことも」

「懐かしいな」

「うん…」

私は返事をして、目を閉じる。

 本当に、あれから長い月日が経ったな。いつの間にか、友達も、仲間も、家族もたくさん増えた。

何事もなく、ずっと一緒に居たから、こんなこと考えもしなかったけど…でも、今回のことがあって、改めて思い知らされた。

今のこの生活が、どれだけ愛おしくて、どれだけ幸せなのかってことを。また、目頭が熱くなる。

もう、どうしてこう簡単に出てきちゃうんだろう、涙って。


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