過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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327: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/07/07(日) 23:43:40.99 ID:nBQnR4x30
「アヤと一緒に居られるのが、うれしい」

私はアヤに囁いた。

「アタシもだ」

アヤもそう言ってくれた。私はアヤを見上げると、アヤも私を見ていた。

「なんで泣いてんだよ」

そんなことを言ってきたアヤも、ポロポロと涙をこぼしていて、なんだかちょっと、笑ってしまった。

「アヤだって…」

そう言ってやったら、なんだか、どこかで張りつめていたものが、プツッと切れた。途端に、強い感情が湧き上がってきて、

涙になってあふれだしてくる。暗くて冷たくて、鋭い、恐怖が、アヤの温もりに溶かされてあふれ出てくる。

 私は、アヤの胸に顔をうずめた。

「…怖かった」

「うん」

いつの間にか、私は震えていた。そうだ、私は怖かった。

あのとき、あの場所で、もしかしたら殺されてしまうんじゃないかってことを、胸の内に閉じ込めていた。

それは、とてつもなく怖いことだった。自分が死んでしまうことなんかじゃない。

アヤを、アヤ達を悲しませてしまうかもしれない、それを考えるのが、とてつもなく、怖かった。

「アヤ達を残して死んじゃったら、アヤが、ロビンがどれだけ悲しむかって思ったら、すごく怖かった…」

「うん」

私が告げたら、アヤはそう返事をして、私の体にまわした腕により一層強く力を込めてくれる。

暖かい…本当に、あの時の戦闘機の中みたい…私は、そんなことを思っていた。

「…無事でいてくれて、本当に良かった…」

アヤの囁くような、うめくような、泣き声に近い、そんな言葉が聞こえた。

 私は、アヤにしがみついて泣いた。アヤも私を抱いて、私の髪を涙で濡らしながら泣いていた。

「もう、寝なきゃね」

「ああ、そうだな。隊長達に朝飯作ってやんないといけないしな」

「うん」

「海に行きたいね」

「そうだな、明日は船でも出すか。いつもの島なら、風が出てても大丈夫だし」

「ニケたちも連れて行ってあげよう?」

「あぁ、それがいいな」

「…」

「…」

「…アヤ?」

「ん?」

「暖かい」

「うん」

「安心する」

「…あぁ、アタシもだ」

「おやすみ、アヤ」

「おやすみ、レナ」



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