過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/07/15(月) 14:16:05.64 ID:a4CMWmdY0
「いる…生きてる…」
「生存者?感じるの…?」
あたしは、レオナからほとばしっている研ぎ澄まされた感覚を捉えて、自分も神経を集中させる。
この一帯には、戦闘の痕跡だろう、恐怖や苦しみの感覚が広がっている。
それにとらわれないように、かき分けるように閉ざしながら、レオナが感じているだろう何かを探る。
寒さ…これは、寒さだ…それに、恐怖…?いえ、これは死者の思念?ううん、違う。これはもっとリアル。
生きている人の、震える感覚…。
「ルーカス、速度落として、慎重に。誰かいる」
「了解」
ルーカスがスロットルをいくつか操作して微かなマイナスGが体にかかる。
あたしは自分と前に抱いたレオナのノーマルスーツからアンカーワイヤーを引っ張って、シート下のフックにひっかける。
そうしながら、暗闇のデプリ群に目を凝らす。感じる…近く、近づいている…もっと先、もう少し…すぐ、近くだ…!
「あれ!」
レオナがそう言って声を上げて指を差した。そこには、進行方向から迫ってくる球体があった。あれは…脱出ポッド!
「速度落とします。大尉、あれを回収するのは無理です。Zで直接、パイロットだけを回収しないと」
「うん、分かった。ケージへ行くよ。乗り込んだら、連絡する」
あたしはそう言ってレオナを解放してアンカーワイヤーを外した。席を立とうとしたあたしをレオナが捕まえた。
いつの間にか、レオナもワイヤーを外している。あたしの慣性に引っ張られて、レオナと一緒に天井にぶつかる。
柔らかく受け身を取りながら、レオナはノーマルスーツのヘルメットの中からあたしを力強い目で見つめて
「あたしも連れて行って…」
と言ってきた。その瞳は、確信だった。まさか、あれが、レイチェル?わかるの、レオナ…?
天井に跳ね返ったあたしは、レオナをつかまえたまま操縦室の中を漂う。
別に、中の人を回収するくらい、ひとりでもできそうだけど…でも、かなり怖がっているのは確かだ。
レオナが一緒に居てくれれば、錯乱でもしていたりしたときに落ち着かせてくれるかもしれない。
「わかった、レオナ。行こう」
あたしはそう言って笑ってあげた。レオナも、ヘルメットの中で嬉しそうに笑顔になった。
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