過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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473: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/04(日) 13:03:23.30 ID:rbswC/840

 「それで、今、どういう状況なの?」

あたしが聞いてみると、マリが

「姉さんが目を覚まして、すぐ、暴れて…」

と口にした。そのとたん、プルツーが

「わたしに妹なんていない!姉さんなんて呼ぶな!」

と声を上げた。いちいち噛み付かれると、話が進みそうもない。あたしは、キッとプルツーをにらみつけた。

プルツーは、またビクッとなって、押し黙る。

 「で、レオナは何で怪我を?」

今度はレオナにたずねる。

「私は、単に、二人を止めようとしたら、ベッドにけつまずいて、転んじゃって…」

レオナも、なんだか落ち込んだ様子でそういった。

 あぁ、なんだろう、この空気。重いし、ピリッとしてるし、イヤだなぁ…。原因は、プルツー、か…。

でも、この子を叱るのは、まだ良くないよね。初めて会ったわけだし…この子だって、混乱している可能性もある。

まぁ、マリの様子を見れば、まだまだ子どもなんだっていうのが正直なところだけど、

でも、今はなにより、落ち着かせて、こっちの話を受け入れさせるのが第一だろうな。

 「プルツー」

あたしはそう思って、プルツーの名を呼んだ。

「…なに」

プルツーは警戒するような、不機嫌なような感じで返事をする。

「みんなの自己紹介は聞いた?」

あたしが聞くと、プルツーは何も答えなかった。代わりにレオナが静かに

「まだだよ」

と短く教えてくれる。

 そっか、なら、そこから始めなきゃね…。

空気は最悪だけど、お互いに名乗らないと、始まらないし説明にも入りにくい。

「そう。なら、あたしからだね。あたしは、マライア・アトウッド。

 元カラバの構成員で、ここには、戦争で怪我した人を助けに来たんだよ」

あたしはとりあえずそう伝える。レオナとプル達の関係を話すのは、あたしからではないほうがいい。

「…俺は、ルーカス。マライアさんと同じ元カラバの人間だ」

あたしにルーカスが続く。それを聞いたあたしは、今度は目で、マリに話をするように訴える。

マリは、それを感じ取ったのか、渋々、といった様子で

「わたしは、マリ。元の呼び名は、プルナイン」

と不機嫌そうに口にして、そっぽを向いた。まぁ、マリは仕方ないかな。あとは、レオナだ。

 あたしはレオナに視線を送る。レオナは、クッとあごを引いて、口を開いた。

「私は、レオニーダ・パラッシュ。レオナよ。あなたやエルピー・プルの…お姉さん」

レオナの言葉に、プルツーは反応した。

憎しみでも、恐怖でも、ましてや、嬉しいのとも違う、ただただ、驚いたような表情を浮かべていた。



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