過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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474: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/04(日) 13:04:02.16 ID:rbswC/840

 「姉さん…?あたしに?」

マリの話を聞いて、妹なんかいない、といったさっきのプルツーとは、違う表情だ。

レオナのことを、知っていた、って感じでもないけど…どうなんだろう?

「そうだよ、あなたのお姉さん」

レオナは、繰り返した。プルツーは、驚いた表情のまま、レオナをじっと見ていた。

まぁ、嘘は言ってないよね…姉妹って言うよりも親子に近いし、親子って言うには、あまりにもおんなじすぎるけど、さ。

 「そんな…嘘だよ…だって、わたし、わたし…」

プルツーは、そういいながら、頭を抱えてうなりだした。

 強化人間は、記憶操作を受ける、なんて話をふと思い出した。確か、アムロが言っていたはずだ。

プルツーはニュータイプだけど、もしかしたらその資質を伸ばすために強化手術を受けてしまっているのかもしれない。

この反応は、それに近い気がする。

 あたしは、意識をプルツーに集中させる。

けして、踏み込み過ぎないように、でも、大丈夫だって伝えてあげたくて、

そっと寄り添うように、意識を向けて、「こっち」に戻ってこられるためのアンカーを打ち込む感覚で、

彼女の意識から少し離れたところに、自分を投げかける。

 ふと、別の何かが、あたしの中に触れた。これは…マリ?チラリと目をやると、マリも、じっとプルツーを見つめていた。

そして、あたしがしているのを真似るように、踏み込まないように、遠巻きにプルツーの意識の外側で彼女を見ている。

こんな器用なこともできるんだね、マリ。すごいじゃん。

 「ジュドー…」

不意に、プルツーがつぶやいた。

「彼は、任務で、今は宇宙にいるよ。すぐに帰ってくると思うけど…」

あたしが言うと、プルツーは顔を上げた。

「会いたい。わたし、ジュドーに会いたい」

「うん、分かってる。きっと一週間もすれば帰ってくるよ。だから、安心して。

 あたし達は、ジュドーくんに頼まれて、あなたの面倒をみることになってるの」

あたしが説明すると、プルツーはまた、顔を伏せた。それから、ちょっぴり押し殺したみたいな声で

「…ごめん」

と口にした。

 謝れるんだ、あなたも、偉いね。そんなことを思ったら、クスっと笑いが漏れてしまった。

それに応じるみたいに今度はマリが

「わたしも、ごめん」

と謝った。まぁ、基本的に思考回路は似てるだろうからね…感応すれば、反応は似てきて当然かな。

レオナとプルツーやマリはちょっと違う感じがするのは、たぶん、前に聞いた遺伝子操作ってやつの影響かもしれない。

 「ん、仲直りできた?」

あたしが聞くと、二人は、黙ってうなずいた。うん、いい子いい子。



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