過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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476: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/04(日) 13:05:29.81 ID:rbswC/840

 「ごめん…ごめんなさい、姉さん…ごめんなさい…」

プルツーは、顔を覆って泣きながら、うわ言のようにそうつぶやいている。

姉さん、ってのが、レオナのことなのか、エルピー・プルのことなのか、分からないけど…。

 そんなことを思いながら、あたしは、これまでのレオナの感じてきたことに、納得がいく気がした。

たぶん、あの日、レオナが感じたレイチェルって子が、エルピー・プルのことだったんだ。

聞いてみたわけじゃないけど、そんな気がした。

きっと、コロニー落着前後に、あのダブリンで戦闘になって、エルピー・プルは、レイチェルは、死んだんだ。

でも、たぶんレオナは、そこに居たプルツーのことも同時に感じ取っていて、そのことに気付けなかった。

プルツーとプルナイン、マリは、本当に同じような感じがある。エルピー・プルの感覚も、そっくりだったはずだ。

まだ完ぺきに開花しているわけじゃない、力の扱い方が分かっていないレオナが、

遠く離れて同じ場所に居た、会ったことのない二人を識別したり、弁別するのは無理があったんだろう。

 エルピー・プルのことは、残念だったけど…でも、レオナのお陰で、少なくともマリを助けることは出来た。

プルツーとも、こうして会うことができた。レオナにとっては、ショックなことだろうけど…でもね、レオナ。

時には、そう言うことだって起こっちゃうんだよ。だって、戦争なんだもん。人は死ぬよ。

どんなに助けたいって思ったって、手の届かないところで起こっている何かを、完全に押しとどめるなんて、

出来ないんだ。そうやって、あたしの宇宙での仲間も、何人も死んでいった。

あんなに仲良くなった、ライラでさえ…ね。

 あたしは、感覚を閉じた代わりに、レオナの肩に手を置いてさすってあげた。

こんなときばっかりは、昔のあたしがムクムクと胸の中に息を吹き返す。

認めたくないけど、でも、こんなときに、あたしは無力だ。

レナさんみたいに、気の利いたことが言えるわけでもない。

アヤさんみたいに、明るく笑ってあげるんでも、大丈夫だよって自信持って伝えてあげることもできない。

 そりゃぁ、口先でそんなことを言うのは簡単だけどね。

でも、それはやっぱり口先だけの言葉で、こんなになっているレオナを励ますことも、

プルツーを元気づけることも、きっとできないだろう。

アヤさんの「あれ」は、一緒に居て、どんなに学ぼうと思っても学べるようなことじゃなかった。

 だけど、今のあたしは、昔とはちょっと違う。できないことがあるからって、悩んだりなんかしない。

できないことは、できないんだ!こういうのは、あたしには無理!これからしなきゃいけないのは、一つだけ。

この子達を、なだめすかして、どうにか地球に連れて帰ること。

あとは、もう、アヤさん達に丸投げでいいよね、アヤさん!

 あたし、この三人が、仲良く笑ってるところが見たい、って今、そう思うんだよ。




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