過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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49: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/16(日) 22:01:58.43 ID:WbsrO5Z60


 「…おなかすいた」

不意に、エヴァがそう口にした。

「うん、おなかすいたね」

サラもそう言う。

 腕時計を見やると、もうすぐ夕方だ。レストランがこむ前に、夕飯を調達しに行った方が良いだろう。今日は、俺の番だ。

 「よし、ちょっと買って来てやる。待ってろ」

俺がそう言って立ち上がると、ババ抜きの輪の中に居たサビーノが立ち上がった。

「マークさん、俺も一緒に行きます」

「待ってろ。危ない橋は渡りたくない」

「お願いです、行かせてください」

急にどうしたよ。いぶかしげに彼の顔を見つめるが、目にはしっかりとした意思が見て取れる。

彼の中で、何かあったのだろうか?

 「連れてってあげてよ」

ハンナが言う。バカ言うな、なんでそんなリスクの高いことをしなきゃいけないんだ。

「連れて行く理由がない。食事運ぶだけなら俺一人で十分だし、表をうろつきまわるのは危険すぎる」

「ホント固いんだから。命令です、連れてってあげなさいマーク中尉!」

ハンナがそう言って俺を睨み付けてきた。まったく、こいつらには緊張感ってものがないのか?

そう思いつつも、これはどうも、連れて行かないとあとからグチグチ文句を言われそうな雰囲気だ。

「わかったよ。サビーノ、そこの帽子かぶって、伊達メガネかけろ」

俺は、売店で買った「変装セット」を指して言ってやった。サビーノは少しうれしそうな顔をして

「はい!」

と元気いっぱいの返事を返してきた。

 準備を終えたサビーノと部屋から出た。人通りもまばらな廊下を抜けて、レストランや売店のあるエリアに向かって歩く。

サビーノも黙ってついてくる。

 なんだか、気まずい。そもそも、こういう子ども相手に、何話したらいいんだ?

仲良くはしゃいでいられるハンナが、少しうらやましかった。

「なんで付いてきたかったんだ?」

とりあえず、なんでもいいから、と思って声をかけてみた。するとサビーノは何かを言いかけて、すっと黙り込んでしまった。

おい、頼むから黙るなよ。何か言ってくれよ。

 俺が困っていたら、サビーノは重々しく口を開いた。

「俺たち、他にもいたんですよ」

「他にも?」

意味が分からずに俺は聞き返した。すると、サビーノはまた少し黙ってから、ゆっくりと沈んだ様子で話した。




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