過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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5: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/14(金) 23:14:57.46 ID:JGBQ+Wk30

 いつのまにか、ザーザーと雨が降り出している。

基地の外周に立つ監視塔からのサーチライトが、門のすぐ前に止っているトラックに向けられていた。

 俺がそこまで歩いて行くと、ひとりの兵士が俺に向かって敬礼をしてくる。

「自分は!第10陸戦連隊のパワーズ伍長であります!不審者を連行しました!」

俺も敬礼を返しながら

「マーク・マンハイム中尉だ。ご苦労だった、伍長。楽にしてくれ、堅苦しいのは苦手だ」

と言うと、曹長はすこし気持ちを緩めたのか

「は」

と静かに返事をした。

 「拘禁室へ連れて行く。出してくれ」

「はい。おい、連れて来い!」

俺が言うと、曹長はトラックの方に大手を振ってそう指示した。

数人の小銃を担いだ兵士たちが怒鳴り声をあげてトラックの荷台から人を引っ張り出してくる…おい、なんだよ、不審者って…

 荷台から降りてきたのは、20代くらいの女性が一人と、そして、まだ10代半ばにも満たないような、子ども達だった。

雨に濡れて、びしょびしょの姿で、彼らは、小銃を突きつける兵士たちに囲まれて俺の前にまで連れてこられた。

「全部で、5名です」

伍長が言った。

「見ればわかる。連れてきてくれ」

「はっ!」

俺はそうとだけ言って、基地内へその「不審者」達を連行させた。

 あんな子どもが不審者だって?笑わせるな。保護ってんならまだわかるが、銃まで突きつけて連れてくるような相手か?

バカげてる。仮にこいつらが反連邦組織の人間だったとしても、何ができる?重要度の低い内偵くらいなもんじゃないか。

それを不審者だと?

上は何を考えてやがるんだ…あの大尉殿のご命令だってのか?

 拘禁室についた。女性と子ども達を中に押し込めると、扉をしめて、施錠をする。

それから、ここまで連行してきてくれた兵士たちに

「ご苦労だった。営舎に暖かい物を用意させよう。少し休んでくれ」

と言ってやった。こいつらが、自分の意思であんなのをつかまえてくるはずがない。

きっと、それぞれに思うところがあるはずだ。

とにかく、今は、そいつを忘れさせてやった方がいい。

「は!感謝します!」

伍長が代表して敬礼をし、陸戦隊は背筋を伸ばして営舎の方へ消えて行った。

俺は拘禁室のすぐそばの自分の執務室に戻ると、まず、営舎へ連絡をして暖かい食事を用意するように言った。

それから、大尉殿にも報告をする。

 好い気なもんで

「ご苦労、あとは明日、我々が尋問するので、余計な手を出さぬよう、良く見張っていてくれ」

だと。ふざけんな。





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