過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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509: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/11(日) 12:26:05.26 ID:iPU4IZC90

「うわー!おいしそう!」

マリがイスの上で飛び跳ねて、うれしさを全身で表現している。まったく、かわいいんだから、もう。

 あたし達は料理に舌鼓を打って、追加で頼んだデザートも平らげて、お店を出た。

マリは、今日はぴんぴんに元気で、いまだに幸せそうにニコニコと笑っている。

 さて、地下のある建物か。あたしは周囲に目を走らせる。

あたりにあるのはスーパーやなんかの入った建物が多くて、地下がありそうな感じのものはない。

そのまま通りを進んで、次の角を左に折れる。今まで歩いていた通りに比べるとすこし細めの道路だ。

さらに歩きながら、立ち並ぶ建物に目を向ける。こっちは、商業用のビルが多いのかな。

会社のオフィスやなんかが入っている感じだ。あるとすれば、このあたり、か。

地下階のある建物に架空の会社名義でオフィスを借りて、地下にサーバーを運び込む…これなら自然だし不可能じゃない。

 「大尉、あれ」

不意にルーカスが指をさした。その先を追うと、そこには古ぼけたビルがあり、

その正面にビルの中に入っているだろう会社の社名がいくつか書かれたプレートが設置してある。

確かに地下階があるみたいだ。2階から、地下1階までを「ロム無線機器株式会社」という名の会社があるって標識が出ている。

「ロム…?」

それをみたレオナが声を上げた。

「知ってるの?」

あたしが聞くと、レオナは少しいぶかしげにしながら

「確か、ジオンの研究所、フラナガン機関って呼び名だけど、それって創始者のフラナガン博士の名前なんだ。

 博士のフルネームが、フラナガン・ロム…」

と小さな声で言った。

 ロム…か。それも同じだし、地下階もあるし、何より無線機器って怪しいよね。

コロニー間の情報のやり取りは有線じゃ無理だし、そういう会社なら、ある程度強い電波を発していても、怪しまれないで済む。

目星は、ついたね。

「ここ、調べて見る価値ありそうだね」

あたしが言うと、ルーカスは黙ってうなずいた。それから

「準備をしましょう。解析用のコンピュータと、忍び込むのなら警備システムをチェックしておかないといけないですし」

とすでにあれこれ考えているような感じで言った。

「うん。いったんシャトルに戻って、作戦会議だね。作戦が決まり次第、必要なものの買出しに出てこよう」

 それで、良いよね、という思いを込めて、あたしはレオナを見やった。彼女は力強い目で一度だけ、コクっとうなずいて見せた。


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