過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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511: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/11(日) 12:27:29.15 ID:iPU4IZC90

 ふと、何かが聞こえた。あたしは咄嗟にレオナに合図を出してライトを消させる。

その場にしゃがんで、暗がりに耳を澄ます。これは、音楽?人の声も…テレビか、ラジオみたいだ…。

あたしは、さらにゆっくりと階段を下りていく。

すると、階段の壁の向こう側に、明かりのついた部屋があるのが目に入った。

壁越しに中を覗くと、そこは守衛室のようで、制服を着た男が一人、机に足を投げ出して、

小さなテレビに視線を送って時折笑いを漏らしている。

 普通の警備員、だと良いんだけど…サーバーのことを知ってて守ってる相手なら、ちょっと手ごわいかもしれない…

感覚的に、そんなに強そうな印象は感じないけれど…。

「マライア、どうするの?」

レオナが小声で聞いてくる。どうするもこうするも、この階をくまなく調べたいんだったら、眠ってもらうほかはないよね…

守衛室にこっそり入って行って、うしろから、かな。

「ちょっと行って来るよ。あたしがヘマしたら、すぐにルーカスに電話してね」

あたしはレオナにそう言い残して、一人で階段を下りていく。

地下階に降り立って、腰をかがめて守衛室から死角になるように気をつけながら、その入り口のドアまで近づく。

あたしはノブに手をかけて捻り、ほんのすこしだけドアを開けた。それからすぐにノブから手を離す。

ドアは自重でそのまま音もなく開き切る。ポーチから取り出したミラーで中を確認する。気づいている様子はない。

 あたしはその場を一気に駆け出した。警備員の背後に飛びつくと、首の後ろから手刀を叩き込んだ。

「ぐっ…」

若い警備員は、そんなうめき声を上げて、イスの上でノびてしまった。

 ふう、とため息をついた。

「レオナ、オッケー。来て良いよ」

あたしはレオナに声を掛けながら、警備員をイスから引き摺り下ろして床に転がした。

それから、座っていたイスも床に倒しておく。

これで、襲われたんじゃなくて、転んで意識を失ってた、って思ってくれると良いんだけど…。

 そんなことを願いつつ、あたしは、ポーチの中のタブレットケースから一粒錠剤を取り出して、

こじ開けた男の口の舌の下へ押し込んだ。これで3、4時間は目が覚めないはずだ。とりあえず、制圧完了、だ。

 一息ついて、今度は守衛室からあたりを見回す。この男一人、とは限らない。

別の人間がいないかどうかに注意しながら、探索を始めることにしよう。

 レオナが、あたしの肩に手を置いてきた。なんだろう、と思ってみたら、レオナは手に、このフロアの見取り図を持っていた。

どうやら、警備員が足を投げ出していた机の引き出しから見つけたらしい。やるじゃん、レオナ!

 あたしはその見取り図に目を走らせる。地下は半分がオフィス、半分かビル全体のためのボイラー室やら電源室、

上下水の管理室になっている。

昼間の仮説が正しくて、ロムって会社がが施設を守備する目的で配置されているんだとして、

通路があるのなら、オフィスの方だろう。

 あたしは黙って、見取り図を一緒に見ていたレオナの目を見て、オフィスの場所を指差した。

レオナはコクっとうなずいた。


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