過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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516: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/11(日) 12:31:02.13 ID:iPU4IZC90


 ふと、マリの甘え攻撃に全身で応えて、まるででっかい猫がじゃれ付くみたいになっているマリをあやしているレオナを見やった。

 レオナはどんな気持ちでこのデータを見るのかな。うれしいのかな、怖いのかな…きっとドキドキはするだろうね。

良い物であってほしいけど、もしかしたらそれは、レオナを苦しめたり傷つけたりするようなものかもしれない…

でも、そんときはそんとき、だよね、たぶん。あたしはそのために来たんだ。

本当のことを知って、何を思うかわからないレオナを、とにかく引きずってでも地球に戻すために…

戦うことより、助けることより、アヤさんはそのことを心配していたんだよね。大丈夫だよ、あたし。

ちゃんと約束は守るからね。

 不意に、ブルブルとPDFが震えた。画面を見ると、アヤさんの名前が表示されている!

まるで図ったみたいに送られてきた…なに、あたしとアヤさんって以心伝心?

 なんだかうれしくなってメッセージを開いたらなんのことはない、たまたま今届いただけで、

送信されたのはもう4時間も前のことだったようだ。これだから、宙間通信は困るんだよなぁ。

 あたしは、文面に目を走らせる。


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親愛なるマライアへ


 お元気ですか?宇宙での生活はいかがでしょうか。

私は、宇宙へは本当に幼いころに出たくらいで、それからはまったく経験がなく、

どのような場所か想像がつきませんが、

レナの話では、いろいろと怖い思いをするようなところだということで、マライア達の身を案じています。

 さて、先日になりますが、かねてより計画していました母屋がついて完成しました。

リビングの広さと部屋数を確保するために、各個室は少々手狭になってしまった感が否めませんが、

それでも二人くらいまでなら快適に過ごせるかと思います。洗濯室に、シャワー室に、立派なキッチンもあります。

 写真を添付しておきます。みんなが元気に帰って来る日を、待っています。


                                 アヤより
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 ふふ、アヤさんてば、いっつも通りのメッセージだな。普段あれだけラフなのに、

どうして手紙やメッセージになると、こんな丁寧になっちゃうのよ。

“親愛なるマライア”って何よ?なんだか、アヤさんがそう書いているかと思うと、

そこはかとなくむずがゆいんだけど。

 もっとこう、

「マライアへ、おーい、元気かー?母屋完成したから写真送る!早く帰って来いよー!」

みたいなノリで良いのにね。もしかしたら恥ずかしいのかな?いや、この文章書くほうが恥ずかしいよね?

ラフなほうが書きやすいよね?

 そんなことを考えていたら、ポカポカと胸にぬくもりがともった。データは手に入った。

マリとプルツーも助けたよ。もうすぐ、地球に戻るからね。だから、待っててね、アヤさん、レナさん。



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