過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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52: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/16(日) 22:05:27.39 ID:WbsrO5Z60


 そんなことを話している間に、俺たちはレストランに付いた。

中には入らず、外向きに出されたカウンターで、ハンナ達に頼まれたセットのメニューをテイクアウトで注文する。

航海は今日で4日目。この店員にも、すっかり顔を覚えられてしまった。

あまり、喜ばしいことではないが。

 カップのコーヒーと、それからサビーノにソーダを頼んでカウンターの前のテーブルセットで料理を待っていたら、

不意にガコンっという、音が、船内に響いた。

<ご乗船中のお客様方へご連絡いたします>

船内アナウンスの入る音だったようだ。ここ数日で、何度か聞いたことがある。

特に気にせず、曳きたてのコーヒーを味わっているとアナウンスはとんでもないことを喋り始めた。


<ただいま、連邦軍籍の戦艦より連絡があり、本船内の検閲を実施することとなりました。

 つきましては、1時間程度、当海域に停止いたします。

 おくつろぎのところ大変申し訳ありませんが、ご協力をよろしくお願いいたします。繰り返し、ご乗船中のお客様へ―――

検閲だって?!

「そ、そんな」

慌てて立ち上がろうとしたサビーノを、とっさにイスに引き戻した。

「落ち着け」

小声でそう伝えた。それは自分自身にも言い聞かせる意味で、だ。

 今ここは船。相手が航空機だろうがなんだろうが、ここへ乗り込んでくるにはこっちが停船するまでに多少の時間がかかる。

あわてずに、隠れる方法を探すべきだ。

いや、そもそも検閲ってどういうことなんだ?俺たちがこの船に乗っていることが気づかれたのか?

それとも、抜き打ちでしょっちゅうやっているのか…俺たち目当てだとするなら、かなり厳しいが…

「まったく、軍にも困ったもんだよね」

店のおばさんが憎々しげに言った。

「良くあるのか?」

「年に何度かは必ずあるのよ。そのたんびに、航海が2,3時間遅れるんだから、たまったもんじゃないよ、まったく。

 あの、ティターンズって言ったっけ?やりたい放題にもほどがあるね」

なるほど…定期的な検査ってのもやっぱりあるのか。だが、だからと言って俺たちが目当てじゃないと決まったわけじゃない。

すぐに部屋に戻ろう。

 出来上がったテイクアウトを受け取って料金を払っていると、ぐらりと船が揺れた。なんだ?停船の衝撃か?

 「おい、あれ見ろよ」

「モビルスーツだ」

窓際に居た客がざわつき始める。俺も近場の窓から外を見やった。

するとそこには黄色と緑のカラーリングが施された塊が浮かんでいる姿があった。

あれは、アッシマーか?!バカな…臨検のために、モビルアーマーを出してくるだと!?

間違いない、ヤツら、俺たちを狙って…!

「サビーノ、行こう」

 俺は焦る気持ちを押し付けて、サビーノをつれてその場を足早に歩き去った。




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