過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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583: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/15(木) 22:10:37.12 ID:oUgkPfPRo

 全部の数字が出そろった。前からアルファベットに置き換えてみるか…ダメだ、意味通らない。

「逆順だね」

レオナが言った。あたしは、数字の列を逆からアルファベットに置き換えていく。

「ア…ス…テロイ…ド…ベ…ル…ト…へ…タ…ツ………ユー、リ…」

あたしと、レオナは声をそろえて、そう読み上げた。


 アステロイドベルトへ、発つ…!


エビングハウス博士が、そう残したの…?そうか、このデータを残したのは、チョーカーを渡した日じゃないんだ。

レオナの話では、一度3人の暮らしに戻れた時期があったらしい。

きっとそのとき、亡命の計画を立てた時点で、こっそり仕掛けた…

確かに彼女が亡くなったって情報は出て来てない。

そもそも、レオナやアリシア博士が研究所を脱走した時点で、エビングハウス博士にも疑いの目が行くのが自然だ。

だけど、訴追した形跡も、殺害した記録も残っていない…

そうだ、レオナ達の脱走騒ぎを支援した後か、あるいは同時に、それを隠れ蓑にして、研究所から抜け出したんだ…!

混乱に乗じるのは隊長の良く使う手…その成功率は、身を以って体験済み。これって、もしかして…もしかして!

「もしかして、ユーリが生きてる、かも…?」

レオナがポツリと口にした。

「そうだよ、レオナ!エビングハウス博士は、あなた達が亡命するのと同じタイミングで

 無事にあのコロニーを脱出出来ていたのかもしれない!」

あたしは、興奮してレオナの方を振り返った。レオナは、目に涙をいっぱい溜めていた。

「マライア…アステロイドベルトって…遠いの?」

遠いけど、このシャトルでもいけない距離じゃない…でも、、気がかりなのは、そこじゃない。

その当時にアステロイドベルトに逃亡したってことは、アクシズへ逃亡したというのと同じ意味だ。

でも、アクシズは先の戦闘以降は、連邦の手に落ちたと聞いている。

そこに居たとしたら、逮捕されているか…それとも難民収容コロニーに送られているか…

いや、それは連邦のデータベースに侵入すればわかることだ。

とにかく今は、アステロイドベルトじゃなく、この地球圏にいる可能性が高い。

「アステロイドベルトっていうのは、アクシズのことだよ、レオナ。

 今回の戦争に巻き込まれているかもしれないけど…博士はきっと生きてる。

 こんなメッセージを残すくらいだもん。諦めて死んじゃうような人じゃないはずだよ。

 今も、きっとどこかで生きていて、あなたを待ってる…」

あたしはレオナにそう言った。レオナは、全身を震わせながら、なんども、なんどもうなずいた。






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