過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/08/30(金) 01:15:55.17 ID:woWQEVjWo
ガタガタと風雨を防ぐための雨戸が音を立てている。びゅうびゅうという風の音と、激しい雨音も聞こえてきている。
私はホールにいた。アヤは、ロビンとレベッカを寝かしつけながら一緒に眠ってしまった。
昼間、ハリケーン対策で走り回っていたから、疲れていたのだろう。
アヤは、こういう嵐をあまり好きにはなれないみたいで、
ハリケーンが来るたびに憂鬱そうな顔をしてあれこれとせわしなく動き回るんだけど、私は、あまり嫌いではなかった。
もちろん、天災だから注意はするし、備えもする。
だけど、こんなのは気象を管理されているコロニーでは起こらない現象だ。
たとえどんなにひどいハリケーンでも、それは、私達が身を寄せ合って、
この青い地球に住んでいるから、体験できることなんだ。
それに、嵐は嵐で、青い空と海と同じように、それなりの風情があって、良い。
たとえば、ホールに響いている雨戸のがたつく音と、雨風の隙すさぶ音がそうだ。
ホールの電気は消して、小さな電池式のランタンと灯しながら、私はボーっと、ホールのソファーに腰掛けていた。
マライアのことを考えながら。
彼女たちが出かけて、もう一か月以上になる。
毎晩、ってわけでもないけど、2日に一度はメッセージを送ってきて、無事で、元気でいるのは分かっている。
戦争も終わったみたいだし、それほど心配をしているわけでもなかった。アヤもアヤで、
「あいつは、やると言ったら、やるやつだ。アタシよりもガンコなやつだからな」
なんて言って、笑っていた。ガンコ、っていうより、忠実なんだと思う、自分自身の気持ちに。
なんて、そんなことを思ったのを覚えている。
パタン、と音が聞こえて、ホールに人が入ってきた。シイナさんだった。
「悪いかったね、シャワーまで借りちゃってさ」
シイナさんは、バスタオルで髪を拭きながらそんなことを言ってくる。
「ううん、気にしないで」
私はそう答えて笑ってあげた。
シイナさん達は、今朝方、アルバに戻ってきた。
アイルランドはひどい状況だったらしいけど、生存者もそれなりにたくさんいて、ハロルドさんと一緒になって、
他の現地の人やボランティアの人たちと一緒に、避難所の運営や救助作業なんかを手伝っていたらしかった。
一週間ほど前にやっと本格的に現地に軍や政府の支援が入ってきたらしくて、それを見届けて、アルバ島に戻ってきてくれた。
正直、マライア達よりシイナさん達の方が心配だったから、無事に戻ってくれたことが嬉しかった。
でも、タイミング悪く、今日はハリケーン。
シイナさん達は、つかれた体のまま家のハリケーン対策をしたり、忙しくしていたので、
私は夕飯を準備してウチで食べようと誘ってあげた。
結果、食べ終わるころにはハリケーンがひどくなってしまって、
歩いて3分の二人の家に帰すのも危ないかもしれないから、今晩は泊まって行けば、と言うことになった。
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