過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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604: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/30(金) 01:17:36.99 ID:woWQEVjWo
 前の戦争で落とされたコロニーを、住民を虐殺してまで奪取させられたシイナさんにとっては、

もっとつらい出来事だっただろう。でも、だからこそ、彼女はあの地へ行ったんだ。シイナさんは、いつか言った。

「私は、死なせちまった以上の人を助けてやんないといけないんだ」

って。

その命に代えても、罪が雪がれるでもないけど、それでも、ひとりでも多くの命を救って、

そして、救えなかった人のために、祈らなきゃいけないんだ、って。

その言葉は私の胸にも響いていた。コロニーのことだけじゃない、私も地球方面軍として、緒戦で連邦軍と戦った。

モビルスーツのレバーを引いて、戦闘機や戦車を破壊した。何も疑わずに、なんの疑問も持たずに…

その行為の意味が分かってしまっていたから、私もシイナさんと一緒にアイルランドへ行かなきゃ、と思った。

アヤが止めてくれなかったら、ロビン達を置いて、向かっていただろう。それが良かったのかどうかわからない。

でも、戦争のさなかでも観光客や、時折訪れる傷ついた兵士たちの相手をしていたら、吹っ切れるところもあった。

アイルランドに行かなくても、私には、出来ることがあった。この場所で、そういう人たちを助ける…

この戦いの続く世の中で、誰もが心を休めることのできるこの場所を守ることもまた、

私にとっての、“祈り”なのかもしれなかった。

まぁ、もっとも、アヤと、ロビンにレベッカに、オメガ隊の皆と一緒に居られる嬉しさもあるんだけどね…

でも、それに浸ってばかりいるわけじゃ、ないんだ。

「手当てをしてるとさ」

シイナさんが、続ける。

「ありがとう、なんていうのさ、あいつら。こっちが謝ってやりたいくらいなにの…。

 私なんかに、礼をする必要なんてありゃしないのにさ…」

シイナさんは、かすかに目を細めた。彼女からは、悲しみだけが伝わってくる。

「それはきっと、“許し”なんだよ」

「許し?」

「うん…ありがとう一つで、ひとり分の、許し…」

私が言ったら、シイナさんは黙ってうつむいた。バーボンを、クッと飲み干して、

「許し、か…」

とつぶやく。相変わらず、悲しい感じばかりが伝わって来るけど、仕方のないことかもしれないな。

いつの日かシイナさんが、今の気持ちと、それ以外を割り切っていられるようになれれば…

私は、そう願ってやまなかった。シイナさんのために、そして、死んでしまった人達のために…。

 パタン、と音がした。ホールの入り口の方を見たら、そこには、ロビンが居た。



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