過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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607: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/30(金) 01:19:20.83 ID:woWQEVjWo

「ジオンの集合地、か…聞いたことないな…」

私は、文面を読み終えてそう口にしていた。

 私は、開戦してしばらくしてからの入隊で、入隊直後はすぐにHLVで北米に降下して連邦軍と戦闘になった。

私の知っている退路は、キャリフォルニア打ち上げ基地から、サイド3までのルートくらい。

地球では戦後、アフリカあたりに残党軍がけっこう残っていたって話だけれど、

あれはオデッサを中心としたヨーロッパから撤退した部隊が結果的にあそこに集合してしまっただけで、

なにかの打ち合わせが事前にあったわけではない。

 宇宙の戦闘はほとんど経験したこともないし、そんな集合場所が、本当にあるんだろうか?

 「秘密の集合地、か」

ポツリ、とシイナさんがそう口にした。そう言えば、シイナさんは宇宙を拠点にしてたよな。

何か、知っているのかな?

 私がシイナさんの顔を見つめると、彼女はすこし苦々しい表情をしながら

「L2ポイントだよ」

と言った。

 L2ポイント…ラグランジュポイント2。

ジオン本国のサイド3と月面都市グラナダのちょうど中間ほどにあるポイントだ。

たしかあそこは、ア・バオア・クー建造のときに出た余剰鉱石群を廃棄した場所だ…

デブリが多い上に、月の影に隠れると太陽の光さえ届かなくなる“暗礁”になる。

基本的に航行を避けるべき宙域だったはず…。

「カラマポイントだ。あの戦争の後、生き残った公国軍はあの場所に集まった。

 それから、私達を置いて、アクシズに向かったんだ。

 アクシズの生き残りなら、あの場所を知ってたっておかしくはない。

 探している育ての親、ってのがもし見つからないっていうんなら、そこを探してみる価値はあるだろうさ」

シイナさんは、そう言って遠くに視線を投げ、グラスをあおった。

昔のことを、思い出してるんだな…故郷を追われた日のことを…。

 胸が痛みそうになるのをこらえて、私はPDAのメッセージでシイナさんの今の話をマライアに知らせた。

送信画面を確認して、PDAをテーブルに置く。

 レオナを育てた人、か。だったら、レベッカのおじいちゃんかおばあちゃん、ってことだよね。

そんなことを思ったら、ふっと、脳裏に父さんと母さん、兄さんのことが浮かんできた。

死んだ、って聞かされた家族が生きてたら、きっとどれだけ嬉しいだろう。

レオナは、きっと今は、そんな気持ちなんだろうな。

 レオナ、必ず無事に帰ってきてね…。その育ての親って人がどんな人かわからないけど…なんだか、さ、

変なんだけど、自分の家族みたいに思えるんだよね。当然かな、家族の一員のレオナの親なんだもんね…。

 生きてると良いね、レオナ。無事に、二人でここへ帰ってきてね。

 私は、そう願わずにはいられなかった。



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