過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/09/01(日) 11:40:26.86 ID:8hpv4eXMo
「プル、大丈夫?」
あたしは、宇宙空間に浮かぶ小さなデブリに掴まって、同じようにしてデブリにしがみついているプルに尋ねた。
「うん…ちょっと、怖いね」
プルはそう言って、キュッと身をこわばらせた。
宇宙には慣れているあたしも、こんなのは、怖いと言わざるを得ない。
なんたって、モビルスーツなしで、宇宙空間に浮いているんだ。
移動速度の速いデブリなんかに衝突されたりしたら、一貫の終わり。
背中に背負っているランドムーバーと呼ばれる推進装置の出力の計算を間違えれば、これまた、宇宙遭難。
もちろん、接近が敵に気付かれても、たぶん、助からない。
AMBACがシステム的に組み込まれているモビルスーツなら、姿勢制御はある程度簡単なんだけど、
それを生身でやるとなると、そう簡単な話じゃない。
いったんバランスを崩して変な回転でも始めようものなら、それを止めるので一苦労してしまう。
そうなったら、ランドムーバーの燃料の減りも早くなって、計算をし直さなきゃならなくなる。
宇宙空間では、移動状態から停止するだけで、加速時と同じだけの燃料がいる。
それを極力抑えるためには、こうして、低速移動をしながら、デブリ掴まって停止しながら、
慎重に進路を見極めつつ進まなくてはいけない。
この緊張感は、怖いし、シビれてくる。さすがに、お喋りするのも、忘れてしまいそうだ。
「次は…あのデブリまで行こう」
「うん」
あたしは、今掴まっているやつから、Y軸10時方向にある、ほぼ停止状態と見えるコロニーの構造物だったものらしいデブリを指して言う。
プルの返事を確認して、あたしは慎重にデブリを蹴って、一瞬だけ、かすかにランドムーバーを吹かす。
体が軌道に乗ったのを確認して、続いてくるプルを見やる。彼女も、うまく離れられたようだ。
ほどなくして、あたしが先にデブリにたどり着く。振り返ったら、プルがすぐそこに迫っていた。
待って、プル、速い!
そう感じたのもつかの間、プルは、デブリの表面に衝突し、滑るようにその軌道を変えた。
あたしは、目についた出っ張りを握って、反対の腕で、プルを抱き留めて、引き寄せる。
ふぅ、肝が冷える。腕の中のプルの顔をヘルメット越しに見ると、
彼女は、汗で前髪を濡らしながら、すこし、動揺した表情を見せていた。
「すこし休憩しよう」
あたしは、プルを抱きしめたまま、そう提案した。プルは、黙ってうなずいた。
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