過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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651: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/02(月) 20:09:42.57 ID:KrMwBe1wo

「マライアちゃん、操縦して!ファンネルはあたしが動かす!」

マリがレバーを握りしめてそう言う。シャトルと守りながら、プルの方に転舵しつつ、9機とやりあう…

簡単じゃ、ないよ!?でも、マリ、その判断は正しいと思う!

「うん!」

あたしはそう返事をして、マリの座っていたシートに割り込んだ。二人で折り重なるようにしてシートに着く。

 体はすでにガタガタだ。神経も、精神的にも消耗が激しい。正直、万全の状態とは、ほど遠い。

何も守る必要がなくったって、厳しい状況だと言わざるを得ないけど…でも、そんな泣き言、言ってる場合じゃない!


来なさいよ!アムロには連絡が付いてる。もうすぐ、来てくれるはず…!

それまで、シャトルにも輸送船にも、指一本、触れさせないんだから!

「マライアちゃん!すぐそっちに行く!待ってて!」

プルの声が聞こえてくる。

「ダメだよ、プル!あなたは、輸送船の直掩について!」

あたしは無線に怒鳴り返した。戦艦の火器管制が回復するまでに残された時間も長くはない。

合流は、たぶん、もう無理だ。だとしたら、プルには、輸送船を守ってもらいながら、この場を離れてもらう方がいい。

「だって、マライアちゃん!」

プルが必死にそう叫んでいる。

「行きなさい、レベッカ…いいえ、プル」

不意に、無線からそう言う声が聞こえた。レオナの声だった。待って、今、レベッカ、って、そう、言ったの…?

「レオナ姉さん!」

「プル、聞いて。あの大きな船を追いかけて。あそこに、ジュドーくんがいるんでしょ?」

「そうだけど、でも!」

「行きなさい。あなたは、もう、誰の言うことを聞く必要もないの。

 道具や兵器としてじゃない、プルっていう一人の人間として、あなたの運命を、生きなさい」

死んでしまった、クローンの一人は、レイチェル、と呼んでた。

そうだ、もう一人、“プルツー”につけた名を聞いたこと、なかったな…。

レベッカ、ってつけてあげてたんだね、レオナ。アヤさんレナさんの遺伝子を持った、あのレベッカと同じように、

あなたは、あの子を愛してあげようって、そう思ってたんだね…。

「プル、行って。私たちに気を遣わなくても大丈夫。ジュドーくんと一緒に行きたいのはしってる。

 だから行っていいの。たとえどんなに離れてても、どこへ行っても、私達は家族。

 どこへ行っても一緒よ、それを忘れないで」

レオナは、優しく、諭すように、プルにそう言った。




 


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