過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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673: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/03(火) 21:49:53.64 ID:TIniHMsXo

あたしは、全身から力が抜けて行くのを感じた。ザブン、と、海中に座り込んで、胸まで水に浸かってしまう。

 アヤさんは、そんなあたしの頭を、まるで何かを確かめるみたいに、ゴシゴシと撫でてくれる。

「あ、あたしは平気だよ!なんてったって…」

強がろうと思って、空元気でそう言おうとしたら、アヤさんが頭を撫でていた手をあたしの口に当てた。

「あんたにしかやれなかった。あんたに任せるしか、なかった。

 結局あんたは、その腕に抱えられる以上の命を、助けて来てくれた。

 大変な役目を押しつけちゃって、悪かったな、マライア」

アヤさんは、悲しそうな顔で、そう言った。

アヤさん、心配してくれてたんだね…嬉しいよ。さすがに今回は死にかけたし、無理しすぎたかな、って反省はしてる。

あたしもアヤさんに、心配かけちゃったことは謝るよ。

でもね、アヤさん。せっかく帰ってこれたんだから、そんな顔しないで…

あたしの大好きな、太陽みたいな顔で笑って、あれを、言ってほしいんだ!

「アヤさん、あたしもごめん。心配かける様なやり方しかできなかった。次からは気を付けるよ。

 でも、こうして帰ってきたんだからさ、いつもみたいに笑って、『おかえり』って言ってよ!」

あたしが言ったら、アヤさんは、いつもの笑顔じゃなくて、今まで見たことのない、優しい顔であたしにほほ笑んでくれた。

「あぁ、そうだな。おかえり、マライア。無事で、何よりだ」

それからアヤさんは、いきなりあたしをギュッと抱きしめてくれた。

とっても力強く、アヤさんの胸の鼓動が伝わってくるくらいに、ギュッと。

あぁ、やっぱり、こうされるのはすごく嬉しいな。

マリがレオナに姉さん、姉さん、って懐く気持ちがすごくよくわかるよ。

アヤさんになら、あたし、どんな弱みも泣き言も見せられるよ。全部こうやって受け止めてくれるもんね。

やっぱり、アヤさんが一番。あたしの一番大好きな、大事な、お姉さんだよ。

あたしは、どうしようもなく甘えたくなって、全身の力を抜いてアヤさんに身を任せた。

 しばらくして、アヤさんがスッと、あたしを解放する。

うん、あれ?

解放された…

あたしが、っていうか、その、胸が…

あたしの水着の、トップスがなく、なって…

 ハッとして顔をあげたら、立ち上がったアヤさんがあたしのことをニヤニヤとイヤらしい表情で見下ろしていた。

その手には、あたしの着ていたはずの水着のトップスが…

―――しまった、謀られた!
 


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